こんにちは、成竹正光です。
前回は、壁紙やクロスを選ぶときに考えたい、さまざまな機能についてお話ししましたが
今回は、素材による特徴のちがいを紹介したいと思います。
壁紙特徴
1,ビニール
壁紙全体の90%を占める、もっとも普及している壁紙です。
バリエーションが豊富で、安く施工でき、水やほこりも簡単にふき取れます。
ビニール壁紙には、特殊な機能を付けやすいので汚れ防止・耐水・防カビなど
さまざまな機能製品を選べます。
2,洋紙・和紙
パルプを原料にした洋紙に、プリント加工やエンボス加工を施した「洋紙タイプ」は
防汚性や調湿性があって水ぶきしやすいです。
こうぞ や みつまた など、伝統的な素材と工法によって作られた「和紙タイプ」は
なんといっても、その独特な風合いに人気があります。
さらに、湿度の高いときは湿気を吸収し、乾燥したときには湿気を放出するため
湿度の高い夏や乾燥する冬でも、快適な室内を保つことができます。
和紙壁紙の表面は、樹脂加工されていることがあり、汚れにくく
水をはじくものや、水ぶき可能なものもあります。
3,織物(布)
織物・編物・不織布・フェルトなどの素材を、紙で裏打ちした壁紙です。
レーヨンを使ったものが一般的ですが、麻や綿の素材感を生かしたものや
絹織物のような高級感のあるものなど、バリエーションが豊富です。
ボリューム感とあたたかな風合いが特徴で、ソフトな感触が魅力です。
リビングやベッドルームなどに使うと、ムードが高まるでしょう。
お手入れは水ぶきよりも、掃除機やハタキでほこりをはらう程度にしましょう。
もしも汚れが付いてしまったときは、固く絞った布などで
表面を軽くポンポンとたたくようにして落としましょう。
4,その他の特殊な素材最近では、環境にやさしい壁紙も注目されています。
「特殊紙壁紙」として、天然資源のケナフを用いたものがあります。
ケナフは一年草で成長が速く、毎年伐採することができます。
植物は成長するときに、地球温暖化の原因となる炭酸ガスや、
水質汚染の原因となる窒素などを吸収するので、環境保全に役立つと言われています。
「オレフィン壁紙」は、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの
合成樹脂を主原料とした紙のことです。焼却時に煙の発生が少なく、
塩化水素などの有毒ガスがほとんど発生しないという、すぐれた点があります。
「木質系壁紙」は、木材を薄くスライスしたものに紙を裏打ちした壁紙です。
天然木の持つ温かみや高級感を感じるので、落ち着いたムードの部屋に向いています。
ただ、比較的高価なので、全面ではなく壁の一部にアクセントとして使うと経済的です。
「無機質壁紙」は、石・土・金属・ガラス繊維・セラミックなどを
主原料にした壁紙で、高い防火性能があります。
とくに漆喰壁紙は、古くから神社仏閣・酒蔵・お城などに用いられ
すぐれた調湿性や防カビ性と、耐久性を兼ね備えています。
「珪藻土(けいそうど)壁紙」は、紙に珪藻土をコーティング加工した壁紙です。
現在はバスマットなどにも使用されています。
珪藻土とは、太古の植物プランクトンが堆積して土になったもので、
珪酸(ガラス質)を主成分としています。
壁紙の表面にある無数の小さな穴が、湿度をコントロールし
石膏ボードと組み合わせると結露防止効果も発揮します。
これ意外にもさまざまな素材の壁紙があり、新たに開発される商品もあるでしょう。
それぞれの特徴を理解して、あなたのお部屋にぴったりの壁紙をみつけてください。