傾斜のない陸屋根は、定期的に防水改修工事をする必要があります。
定期的に改修することで雨漏りの危険性を減らし、建物の寿命を早めるのを防ぐ効果もあるでしょう。
この記事は、防水材の中でも古くから使われている「アスファルト防水」についてまとめました。
アスファルト防水で改修するメリットやデメリット、費用相場などを紹介します。
アスファルト防水で改修するメリット・デメリット
アスファルト防水の改修には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。
メリット
アスファルト防水で改修するメリットは、以下のとおりです。
- もっとも古い防水材で信頼度が高く耐用年数が長い
- 一定の厚みがある防水シートを工場で製造するため安定した防水層ができる
- 工場で大量製造されるため安価で施工できる
高品質で耐用年数が長く、防水改修ができることがメリットです。
デメリット
アスファルト防水で改修するデメリットは、以下のとおりです。
- 施工時の管理が仕上がりに影響するため経験豊富な業者に依頼する必要がある
- 工法によっては大がかりな設備が必要なため費用が高くなる場合もある
- 工法によっては煙やアスファルト臭が発生する
業者の選び方や近隣住民への配慮などの注意点があることがデメリットです。
アスファルト防水の改修工法は3種類
アスファルト防水の改修工法は、以下の3種類があります。
- 冷工法(常温工)
- 熱工法
- トーチ工法
以下で詳しく説明します。
冷工法(常温工)
冷工法(常温工)とは、熱を使わずにルーフィングシートを貼りつけて防水層をつくる工法です。
火気を使用しないため大がかりな設備も必要なく、煙やアスファルト臭の発生をおさえて施工できます。
密集した住宅街や狭い場所での施工も、安易におこなえることが特徴です。
ただし、何層にもアスファルトルーフィングを重ねるため、建物の強度に注意する必要があります。
熱工法
熱工法とは、アスファルトの塊を熱で溶かして防水層をつくる工法です。
100年以上の歴史がある工法で、信頼性の高い防水改修工事と言えます。
2層以上の防水層がつくられるため強度に優れていることが特徴です。
ただし熱を使うため火災や臭いの心配があり、近隣住民への配慮も必要になります。
トーチ工法
トーチ工法とは、防水シートについているアスファルトをガスバーナーで炙って密着させながら防水層をつくる工法です。
熱工法とは違い、煙や臭いが発生しないので安全に施工できます。
防水シートを隙間なく密着できるので、水漏れがしにくいことが特徴です。
煙や臭いがおさえられる、火災の危険性がない、材料使用量が減るなど環境にやさしく、近年採用されることが多い工法です。
アスファルト防水改修工事の費用と耐久年数
アスファルト防水改修工事の費用と耐久年数は、以下のとおりです。
費用相場 | 5,500~8,000円/平方メートル |
耐用年数 | 20~30年 |
アスファルト防水は、水に強く耐久性に優れた防水改修方法です。
長期的に建物を使用する予定がある人は、アスファルト防水で改修することをおすすめします。
アスファルト防水の改修工事をするタイミングと症状
防水工事は、適切なタイミングでおこなうことが大切です。
以下では、アスファルト防水の改修工事をするタイミングと症状を詳しく説明します。
早めの改修を検討する症状
以下のような症状が現れた場合は、早めの改修を検討しましょう。
- 目地やコンクリートのひび割れ
- 雨が降ると屋根の一部分に水が溜まる
- 雑草が生えている
- 排水溝の周りにゴミが溜まる
今すぐ改修が必要というわけではありませんが、防水効果が落ちている可能性が高いです。
まずは、専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
早急に改修が必要な症状
以下のような症状が現れた場合は、早急に改修が必要になります。
- 防水層の膨れ
- 防水シートの剥がれ
- 室内の雨漏り
- 排水溝にゴミが詰まっている
既に室内で雨漏りが起こっている場合は、早急に専門業者に改修を依頼しましょう。その他の症状も防水効果が薄れており、放っておくと雨漏りが起こる危険性が高いです。
まとめ:耐久年数が長いアスファルト防水で改修工事をしよう
大切な建物を守るために欠かせない防水改修工事。
信頼度が高く耐用年数が長い「アスファルト防水」で改修工事をしましょう。
今回紹介した劣化が現れている場合は、早めに専門業者に調査や改修依頼をすることをおすすめします。