こんにちは、成竹正光です。
九州では桜が咲き、すっかり春らしくなりました。
暖かくなると、外に出て散歩やお花見などしたくなりますね。
ただ、高齢者のみなさまは、くれぐれも足元に気をつけて
転ばないようにしてください。
実は、住宅の中で多いケガが、高齢者の転倒なのです。
転倒すると、高齢者の場合は骨折をしやすく
それがもとで体力が急激に衰えて、寝たきりになってしまう人もいます。
人によっては「住み慣れた家だからどこに何があるかわかり、簡単には転ばない」
と言う人もいます。しかし、慣れているからこそ
足元のコードに注意がいかず、引っかかってしまったり
大きな物や重い物を持って、バランスを崩して転ぶことがあるのです。
そこで、いつまでも元気で暮らすために、転倒しないよう、高齢者のいる住宅では
本格的に動けなくなる前に「転倒予防」のリフォームを検討してみませんか。
具体的には、次の場所に手すりを設置するとよいでしょう。
1,トイレ
トイレは誰でも毎日使う所で、立ったり座ったり向きを変えたり、動作の多い場所です。
ここに縦型の手すりを設置すると、立ち上がるとき脚力だけでなく腕の力も使えるので
足や腰の負担が減って転びにくくなります。
もしも、よろめいたときも、つかまるところがあれば安心です。
ただ、トイレの場合は付けたい場所に柱がないことが多いので、
壁に補強板を設置してから、しっかり手すりを付けます。
素人が日曜大工で、薄い壁板にいきなり手すりを付けてしまうと、
体重をかけたときに壊れて、かえって転倒の危険があります。
2,風呂場
水を使う風呂場は足元がぬれて滑ったり、浴槽との段差があったりして、
転倒の多い場所です。ここも早めに、手すりを設置するとよいでしょう。
とくにお薦めしたい場所は、脱衣所から浴室への入り口です。
ここに縦型の手すりがあると、安心して浴室に一歩目を踏み出すことができます。
そして、次に付けたいのが、浴槽の周りです。
ご自宅の浴槽の位置や、自分の入るときの方向などを考えて、
縦型や横型、あるいはL字型などの手すりを必要な場所に付けましょう。
もちろん、水に濡れても腐らず滑りにくく、抗菌作用の施されたものがよいです。
そのほか、高齢者がもしも階段を使うようであれば、少ない段数でも手すりが必要です。
「長年使い慣れている階段だし、段数もそれほどないから大丈夫」
と思っても、少ない段数の場所ほど、
うっかり踏みまちがえたり、よろめいたりして転倒する人がよくいます。
さらに余裕があれば、玄関の上がりかまちに、つかまる物を付けると便利です。
小さな部分でも、それにつかまると玄関に降りたり上がったりするとき楽になるし、
靴を履いたり脱いだりして片足になるときも、バランスを崩さず安心です。
今回紹介した場所は、「まだまだ元気で転ばない」と思っている方にこそ
考えていただきたい所です。まさに、”転ばぬ先の杖”として
いつまでも元気で、住み慣れた家で長く暮らすために、ぜひご検討ください。
なお、介護認定を受けている方の場合、今回紹介した場所に限らず
必要な住宅改修について一定の補助金が出ます。
詳しくは、お住まいの地域の福祉課などでご相談ください。