こんにちは、成竹正光です。
だんだん夕日の沈む時刻が遅くなってきました。もう一か月ほどで、夏至になります。
ヨーロッパでは、夏の夜を庭で過ごす家族が多いそうです。
日本の場合は、欧米のような広い庭でガーデンディナー ……という余裕はありませんが
昔から夕暮れの庭で月や蛍をながめるなど、風流な夏の夜を楽しんできました。
そこで今回は、現代の夏の庭を楽しむための「野外照明」についてご紹介します。
野外照明には、庭のデザインとして明かりを楽しむ以外に、
玄関までお客様の足元を照らし案内するアプローチの役割や、
泥棒の侵入を警戒する防犯の役目もあります。
基本的に、野外照明はむやみに明るくする必要はありません。
最近は「光害(ひかりがい)」という言葉があり、無駄な照明でエネルギーを消耗したり、植物の成長リズムを狂わせたり、夜空の月や星が見えなくなったりすることは
人間の生活にとって好ましくないとされています。
とくに住宅の場合は、スポーツをしたり運転をしたり宣伝をする場所ではないので
まぶしいライトはいりません。
適切な場所に、ふさわしい形態で、必要な光量で照らしましょう。
玄関アプローチなら、門扉から足元を照らすような下向きのライトを点々と灯します。
道幅にもよりますが、とりつける照明の高さは25㎝~80㎝くらい、
間隔は高さの3~8倍くらいの配置がよいでしょう。
歩行者の目に直接光が入らないようデザインされた照明を選びます。
また、玄関近くのシンボルツリーを1本照らすと、とても印象的な雰囲気になります。
まるで、レストランの入り口のように、家に表情がでてきます。
あるいは、植栽の奥の壁の一部を照らして、樹木のシルエットを
浮かび上がらせる方法もあります。
次に庭の照明ですが、こちらも小さなものを数点、
奥行きを感じるように分散させて配置します。
白っぽいライトより、温かい暖色系の光がよいでしょう。
もしも、テラスやウッドデッキ、開閉式のサンルームなどがあれば
そこから庭に続くように配置すると、家と庭の一体感が出ます。
また、テラス(あるいはウッドデッキやサンルーム)に、
ランタンを下げたり、キャンドルを置いたりすると
夕暮れの庭で、家族や友人とお茶を楽しむことができます。
同じ庭でも、道路からの侵入口などに防犯用の照明を付ける場合は、
人感センサー式のライトがよいでしょう。
そうでない場所は、家族が寝たころ消灯するタイマー式や、
暗くなったら自動で点いて(夜明けに消える)自動点滅式が理想的です。
最近は、消費電力の少ないLEDによる野外照明の種類が増えています。
ほかにも、昼間に太陽光エネルギーを充電して、
暗くなったらその電力で灯すタイプもあります。
玄関や庭の照明を上手に使い、情緒ある夏の夜を演出してみませんか。