こんにちは、成竹正光です。
前回のブログでは、「夏を涼しくするリフォーム」を紹介しましたが、
今回はそれに関連して、「風通しを良くする方法」についてお話しします。
風通しの良い住宅は、涼しく過ごせるだけでなく、
家の中に「湿度」や「臭い」などがこもるのを防いでくれます。
さらに、アレルギーの一因にもなる「浮遊カビ」を外へ排出してくれます。
風通しを良くするためには、もちろん窓など風の出入り口が必要ですが、
1つだけではスムーズに流れません。
風の「入るところ」と「出るところ」が必要なのです。
風の通り道を作るには「2か所以上の窓」を作りますが、
より効率のいい換気をするためにはその位置が大切です。
窓は対面するように配し、できれば見通せるように開けるのではなく
対角線に少しずらした方が通風が良くなります。
もしも、同じ面にしか窓が作れない場合は、左右に並べるのではなく
上と下になるように高さを変えて作りましょう。
空気は、高低差を付けると流れやすくなります。
さらに余裕があれば、開口部を3つ作り、そのうち2つを高さを変えて配します。
暖かい空気は高い場所にいく性質があるので、上の窓からぬけていきます。
そして、下の窓から出ていく風は、床にたまったよどんだ空気を出して
床や畳の湿気をはらってくれます。
2つの窓は、少し離れている方が、大きなうねりのある風になります。
どこにでも好きなだけ大きな窓が作れる場合は問題ありませんが、
壁の面積や場所により、小さな窓しか作れないことがあります。
しかし工夫をすれば、狭い場所でも効率の良い換気口を作ることもできます。
例えば、一般的な窓は、左右に開く「引き違い窓」です。
これは最大に開けても、窓のサイズの半分しか換気口になりません。
階段や廊下などの狭い壁には、縦長のガラスで左右どちらかから開ける「外開き窓」や
ガラスが外にせり出すようにして開ける「縦すべり出し窓」、
さらに、縦半分に二つ折りにして開ける「折りたたみ窓」、
真ん中で回転する「回転窓」などの方法があります。
(窓の詳しい解説は、弊社<A HREF=”https://www.skhouse.jp/archives/001814.php” TARGET=”_blank”>スタッフのブログ</A>で能勢正二郎が
イラスト付きで紹介していますので、ご参考にしてください)
トイレや風呂場など常に通風・換気が必要で、人目が気になるところには、
ブラインドのように複数枚の細長いガラスを並べた「ルーバー窓」を使えば、
角度を調整することで風量や採光が自由に変えられます。
高い部分には、ガラス戸の上部が開く「内倒し窓」を付ければ
熱い空気がぬけやすくなります。
また、窓が1面にしか作れない部屋の場合は、出入り口のドアを空気がとおるタイプ
にすると、廊下を通じて家全体で通風することができます。
最近は、多くの住宅が「機密性を保つ家づくり」をしますが、換気がまったくできない
のも問題です。必要なときに、適切な風通しができる家にしましょう。
自然の風は、季節によって花の香りや虫の声など、さまざまなものを運び、
私たちの五感を刺激してくれます。
みんなで季節を楽しめる、”風通しの良い家(家族)”をつくりましょう。