こんにちは、成竹正光です。
みなさんの家では、もう暖房用具を整えましたか。
エアコンのように冷暖房のスイッチを切り替えるだけなら、準備の必要がありませんが
ファンヒーターやこたつなどの機器は、押し入れや納戸から運び出して、
灯油漏れや漏電などがないことをしっかりチェックしてから使い始めますね。
ほとんどの家がこのような暖房機器を使って室内を暖めていると思いますが、
住宅自体の断熱が不十分だと、いくら暖めても冷気が伝わってきて
たくさんの灯油や電気、ガスなどのエネルギーを消耗することになります。
また、それぞれの部屋を暖房するだけでは、そこから出たとき
例えば、廊下やトイレなどに行ったとき、急激な温度の変化で血圧や脈拍が急変し、
脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの深刻な疾患につながる危険性があります。
このような症状を「ヒートショック」と言います。
暖房エネルギーを節約するためにも、ヒートショックを防止するためにも
住宅全体の断熱(冷気侵入と暖房熱流出の防止)が大切です。
まず、暖房の熱がどこから逃げていくのか、みてみましょう。ある調査によると、
熱流出の割合がいちばん高いのは、窓などの「開口部」(48%)でした。
2番目は「外壁」(19%)、3番目に「換気」(17%)、
4番目「床」(10%)、5番目「屋根」(6%)と続きます。
そこで、住宅の断熱を高めるには、窓を改善することが効果的だと考えられます。
ちなみに、夏に窓から入り込む熱は、家全体の70%以上だといわれています。
ですから、窓を断熱することは、冬暖かく夏涼しく過ごすのにとても有効なことです。
窓の断熱リフォームには、3つの方法があります。
最初に紹介するのは、ガラスを「断熱ガラス」に変える方法です。
省エネ住宅づくりに向いているので、エコガラスとも呼ばれるもので
具体的には、「真空ガラス」「複層ガラス」「熱吸収・熱反射ガラス」など
熱を伝えにくいガラスに交換します。
ただ、この場合は窓枠がアルミのまま残ります。
アルミは熱伝導率が高いため、枠の部分からは冷気が伝わってきてしまいます。
それを防ぐには、樹脂製など枠自体にも断熱機能がある、「断熱窓」に交換することです。
これが2つ目の方法です。
そして最後の方法は、今ある窓の内側に、もうひとつ
枠ごとおおう内窓を増やすことです。
今までの窓と、新しい窓の間に空気の層ができて、しっかり断熱できます。
これはマンションの窓でも、比較的 楽にリフォームできます。
窓の断熱を高めることは、冬場の結露を防ぐ効果も期待できます。
3つの方法の中でどれがよいかは、窓の場所(部屋の使われ方、暖房を使う時間)や
ご予算によって、ご相談しながら決めていきたいと思います。
もちろん、日々の暮らしの中でも工夫して、窓の断熱をしっかりすることが大切です。
例えば、冬は日が暮れたら早めに、雨戸やカーテンを閉めて冷気を入れないようにする。
カーテンの素材を厚手にかけ替えて、
床につくまで長いものにして、下から冷気が入るのを防ぐ。
このような工夫によって、窓から暖気が逃げたり、冷気が入ってくるのを防ぎましょう。
窓の断熱効果を高めるリフォームをして、夜になったらカーテンでしっかりおおって、
エネルギーの消費にも、家族の健康にも、やさしい家づくりをしましょう。