こんにちは、成竹正光です。
6月21日は夏至です。一年でいちばん昼が長くなります。
といっても、日本の6月は梅雨時で曇りがちのため
日の長さを実感するのは、梅雨明けの7月になってからかもしれませんね。
実際、天文学的に日没時刻がいちばん遅いのは、夏至の後だそうです。
(日の出時刻がいちばん早いのは、夏至の前だそうです)
そして、日没時間は7月末まで遅いままなので、黄昏時が長く続くようになります。
そのため日本では昔から、「夕涼み」や「ホタル狩り」や「花火」など
“夏の宵”を楽しむ風習があったのでしょう。
最近は環境省が地球温暖化防止のために、全国のライトアップ施設や各家庭の
照明を消すように呼びかける「ライトダウンキャンペーン」を
夏至の6月21日と七夕(クールアース・デー)の7月7日に行っています。
また、天文台・プラネタリウムなどの関係者や天文ファンは、
七夕の夜に不要な灯りを消して、夜空の星や天の川をながめようという
「伝統的七夕ライトダウンキャンペーン」を呼びかけています。
伝統的七夕とは旧暦の七夕のことで、今年は8月2日です。
そこで今年のキャンペーンは、8月2日(土)と3日(日)に行う予定です。
さて、みなさんの家のライト(照明)はどんなふうに設置していますか。
昔は、一つの部屋に一つの照明器具を取り付ける「一室一灯」が基本でした。
最近は、LED照明に切り替える家庭も増えてきましたが、同じ場所に
付け替えるだけのケースが多く、「一室一灯」であることに変わりありません。
リフォームで、キッチン・トイレ・バスなどの水回り、
リビング・寝室などの各部屋、廊下・階段・玄関などの通路を改修するとき、
いっしょに照明のリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。
「天井は問題ないから、照明もLEDに替えるだけでいいや」とは思わずに、
そもそも照明の位置や種類が、今まで通りでよいのか見直すことが大切なのです。
かつての蛍光灯や白熱電球は、LED照明のように簡単には
光の強さを変えたり(調光)色合いを変えたり(調色)することができませんでした。
そのためどうしても、部屋の真ん中に大型で大光量の照明を付けるスタイルになり、
部屋の中心だけ明るすぎたり、隅が暗かったりして、適切な照明とはいえませんでした。
しかし、LED照明器具の場合は、リモコンで点灯消灯の操作はもちろん
調光や調色のコントロールも細かくできます。
また、消費電力の少ないLED照明を必要な場所に必要な光量でつけることで、
全体としてムダな灯りを減らすことができ、エネルギーの節約にもつながります。
まずは、リビングから照明器具の選び方や工夫するポイントを紹介します。
リビングは、さまざまな年齢や個性の家族が、思い思いに過ごす場所です。
ここで子どもたちがオモチャで遊んだり本を読んだりするときは、
明るく白っぽいはっきりしたライトがよいでしょう。
夜になって、大人がくつろぎながら過ごすときは、
白色の灯りからオレンジ色の落ちついた温かな色合いに調色したいです。
そして、部屋の隅や壁に間接照明を付けると、ホテルのようなムードを演出できます。
このように部屋に複数の照明を付けて、光源を分散することを「多灯分散」といいます。
「多灯分散」のもっとも効果的な部屋は、寝室でしょう。
ベッドの周りの壁や天井を照らすように、暖色系の灯りをライトアップさせると
キャンドルをともしたように落ちついて、健やかな睡眠をとることができます。
天井のメーン照明も、そのまま下を照らす「開放型」ではまぶしいので、
「カバー付き」にして柔らかく光を部屋全体に拡散させたり、
カバーのすき間から光が上に反射して天井を照らしたりする工夫が大切です。
もちろん、ただ部屋が薄暗いだけでは、寝ぼけて足元がおぼつかないまま
間違って物を踏んだり、タンスの角にぶつけたりして、ケガをするおそれがあります。
そこで、フットライトを付けて、足元をぼんやり照らすようにしましょう。
これも、多灯分散のひとつです。
足元の灯りを確保する必要のある場所の、もうひとつが階段です。
誤って転落して大ケガをしないよう、一段ごとに小さな灯りを付けたり
数段ごとに腰より低い位置に灯りを付けたりします。
さらに、階段全体を照らす照明を「人感センサー付き」にすれば
暗い階段でスイッチを探さなくても、自然に点灯して安心だし、
消し忘れても自然に消灯するの、ムダをなくすことができます。
同じように、人感センサーにすると便利なのが、廊下です。
階段も廊下も細長い場所ですから、真ん中に一つだけの光源では
暗くなったり自分の影ができたりして、安心できません。
一つ一つのライトは小さくてもかまわないので、適切な間隔で複数つけましょう。
そして、ついおろそかになりがちなのが玄関や、外のエントランスの照明です。
玄関は真上から強いライトを当てると、そこに立つ家人や来客の顔に影ができてしまいます。
帰宅した家族がほっと落ちつくような、来訪した客が歓迎されているような
そんな気持ちになれる温かな光を天井と壁の両方に付けるのはいかがでしょうか。
外のエントランスは、訪問者にとって家の印象に深く関わる部分なので、
玄関のデザインにマッチした照明を選びましょう。それだけでなく、
暗い夜に玄関まで歩く家族や客の足元がしっかり見えるフットライトも必要です。また、
不審者が潜んでいないかわかるように、玄関ポーチ以外の場所にも照明を付けましょう。
できれば、人感センサーも設置すると、在宅者がいないときに暗い家に帰ってきても
ライトが点灯して安心です。不審者の侵入を予防する効果も、期待できそうです。
ここまで、さまざまな部屋や場所の照明についてお話ししてきましたが
続きは、次回にご紹介いたします。
キッチン・ダイニング・トイレ・洗面所の照明について考えたいと思います。