今回は、「浴槽の素材」に注目してお話ししたいと思います。
浴槽の素材にも、いろいろなものがあります。
それぞれの特徴を理解し、自分の好みや家族のライフスタイルに向いている素材を選び、
浴槽の種類
○FRP樹脂
FRPとは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)
のことで、浴槽の素材としてはもっともポピュラーです。
肌ざわりにぬくもり感があり、
カラーバリエーションやデザインも豊富です。
価格は手ごろで、多くの住宅に普及しています。
また、高温に弱いため空焚きには注意しましょう。
○ステンレス
なんといってもキズや錆に強く、清潔な状態を
維持しやすいのが特長です。
裏面に保温材を吹き付けてあるので、
保温性能にも優れています。
価格は安価ですみます。
ただ、金属特有の肌ざわりが気になる人が多く、
見た目も無機質です。
リフォームによって、華やかさやぬくもり感を演出したい場合は
金属的な肌触りをおさえた商品や、
着色やデザインが施されたものを選ぶといいでしょう。
浴槽の底面にエンボス加工をした製品もあります。
○ほうろう
ほうろうには、2つの種類があります。
「鋼板ほうろう」と「鋳物ほうろう」で、鋳物ほうろうの方が厚くて重いです。
いずれも重厚な雰囲気があり、輸入品でも好まれます。
ほうろう独特の滑らかな肌ざわりと、美しい色合いが特長です。
また、鋳物ほうろうの場合は重量があるため、階上の浴室に設置するには
しっかりした構造が必要です。リフォームの場合は、
構造躯体の強化が必要でしょう。
○人工大理石
人工大理石は、「アクリル系」と「ポリエステル系」に分類されます。
アクリル系は透明感があり、
紫外線による黄変(色あせ)がありません。
加工しやすいため、
さまざまなデザインのバリエーションがあります。
ポリエステル系はしっとりとした肌ざわりがあり、
保温性抜群ですが
耐久性(色あせ)や耐衝撃性でアクリル系に劣ります。
価格はアクリル系より安価ですみます。
どちらの系統の人工大理石でも、メーカーや商品シリーズによって
価格・素材感・色合いなどかなり異なります。
選択肢の幅が広いため、自分の好みや予算に合わせて選ぶことができますが、
逆に言うと、とにかく商品の見極めが大切です。
○木製
純和風イメージの浴室になり、
木質独特の温かみや香りがあります。
保温性や耐衝撃性が高く、心地よい肌ざわりが人気です。
伝統的に、檜(ヒノキ)檜葉(ヒバ)椹(サワラ)などが
使われてきました。
価格は木材の品質や材質によって違いがありますが、
いずれも高価です。
○タイル
自由な形状をオーダーメードできるので、
個性的な風呂場がつくれます。
モザイクタイルなどを用いて、曲線を持たせたり、
模様をデザインしたりできます。
ただ、肌ざわりはタイル特有の冷たさがあるので、
冬場は寒く感じるでしょう。
価格は、タイルの場合、
浴槽だけでなく浴室全体のデザインが重要になるので
それなりに高くなり、プランニングは充分な検討が必要です。
まとめ
リフォームで新しい浴槽を選ぶときには、次のポイントを考えながら選ぶといいでしょう。
・浴槽を設置する場所の広さ。
・入りやすさや出やすさに加え、
すべる危険性の予測など安全性。
・日常の掃除と、長期的なメンテナンス。
・肌ざわりなど、材質に対する感覚。
・リラックス空間として、デザインや色彩などの好み。
・階上に浴室を新設する場合には、水漏れ対策や荷重の確認。
・予算の検討。
ご家族みなさんがお気に入りの場所になる、そんな風呂場をつくりたいと思っています。