遮熱塗料には節約効果がない?性能が高いと評判の遮熱塗料も紹介!
「遮熱塗料って効果があるの?」
「遮熱塗料を使えば節電できるって本当?」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
この記事では、遮熱塗料の効果についてどこまでがウソで何が本当なのかを解説します。
具体的には以下の情報を記載しています。
- 遮熱塗料の2つの効果
- 遮熱塗料のウソとホント
- 効果が高い遮熱塗料の商品例
- 遮熱塗料は節約効果があるのか
遮熱塗料で効果が高いといわれる商品も紹介しますので、塗料選びで迷っている人には必見の情報です。
≪一緒に見たい記事≫工場の暑さ対策には遮熱塗料が効果的って本当?おすすめ塗料や塗装費用を紹介
遮熱塗料の効果は2つ!
遮熱塗料には以下の2つの効果があります。
- 太陽光を遮断して熱の発生を抑制する
- 室温を低下させて冷房費用を節約する
太陽光を遮断して熱の発生を抑制することで、室温や屋根の表面温度を低下させることができます。
また、室温を低下させることで冷房費用を節約する効果も期待できます。
遮熱塗料の効果のウソとホント
一般的に言われている遮熱塗料の効果にはウソとホントが混ざっています。
以下では、遮熱塗料の効果のウソとホントをチェックしてみましょう。
遮熱塗料の効果のウソ
遮熱塗料の効果に関する以下の情報は事実とはいえません。
- 塗ると室温が5℃以上は涼しくなる
- 年間で10%以上の節電効果がある
- 遮熱塗料は熱を遮断する
上記はどこまでがウソなのでしょうか?
塗ると室温が5℃以上は涼しくなる
遮熱塗料による室温の低下は最大で1〜3℃程度と考えられています。
5℃以上も温度が低下したと説明しているデータは、室温ではなく屋根の表面温度であるケースが多いです。
遮熱塗料で屋根の表面温度が20℃下がったとしても、室温は3℃以下しか下がりません。
例として、大手塗料メーカー「エスケー化研」のデータがあります。
遮熱塗料でも特に効果が高いといわれる「クールタイト」でさえ、室温は最大で2.7℃しか下がりません。
上記のデータでは屋根表面の温度低下は20.3℃です。
屋根表面の温度に対して室温はわずか13%しか低下していません。
年間で30%以上の節電効果がある
一般的には室温が1℃下がると10%の節電効果があると考えられています。
このため3℃下がれば30%というのは大きな間違いではありません。
しかし、常夏の地域でもないかぎりエアコンを年中使うことはないでしょう。
実際にエアコンを使うのは4ヶ月程度のため、年間を通すと7%程度の節電効果しかないといわれています。
遮熱塗料は熱を遮断する
遮熱塗料が遮断するのは熱ではなく太陽光です。
太陽光を防ぐことで熱の発生を抑制する効果しかありません。
室外で発生したから熱の通過を防ぐことはできない点は覚えておきましょう。
遮熱塗料の効果のホント
以下では、意外と知られていない遮熱塗料の効果に関しては3つの事実を紹介します。
- 冬は寒くならない
- 遮熱性能は色によって変わる
- 遮熱効果がほとんどなくても遮熱塗料を名乗れる
知らないと高額な費用をかけてほとんど効果がない塗装をしてしまうため、注意点として事前にチェックしておきましょう。
冬は寒くならない
遮熱塗料で屋根塗装しても、室内は寒くなりません。夏は太陽から強い紫外線エネルギーを受け取ります。しかし冬は太陽から弱い紫外線エネルギーしか受け取りません。そのため紫外線エネルギーが室内の温度に与える影響はほとんどありません。つまり寒くなることがないのです。
遮熱性能は色によって変わる
遮熱塗料は光を反射しやすい白だと効果が高く、黒だと効果が低い性質があります。
しかし、屋根に塗ることが多い遮熱塗料を白にするのはデザイン性を考えると気が引けるでしょう。
遮熱塗料を使うのなら、黒系の色を避けて可能な限り白に近い色を選んで効果を発揮できるようにしましょう。
遮熱効果がほとんどなくても遮熱塗料を名乗れる
遮熱塗料には性能の基準がありません。
このため、室温が変わらない程度の遮熱機能でも遮熱塗料と名乗れてしまうデメリットがあります。
遮熱塗料だから安心と考えず、本当に効果がある商品なのかを吟味しなくてはいけません。
効果が高いと評判の遮熱塗料は4つ
遮熱性能が高いと考えられている商品は4つあります。
- サーモアイF
- クールタイトF
- ガイナ
- EC-100PCM
それぞれの特徴を知って最適な塗料を選びましょう。
サーモアイF
日本ペイントが販売するフッ素系の遮熱塗料です。
耐久性が高いフッ素樹脂を使っているため耐用年数が長いのが特徴です。
遮熱塗料には、塗料メーカーが公表している「日射反射率」という数値があります。
簡単に言えば、太陽光をどれだけ反射できるかという数値です。
日射反射率が高い塗料ほど遮熱性能が高い傾向にあります。
サーモアイFは、各メーカーがデータを公表している商品のなかで日射反射率が特に高い塗料です。
信頼できる大手塗料メーカーの商品だけあって効果は高いと考えてよいでしょう。
価格は一般的なフッ素樹脂塗料よりも1〜3割ほど高いです。
クールタイトF
建築塗料分野No. 1メーカーエスケー化研が販売するフッ素系の遮熱塗料です。
クールタイトFも耐久性が高いフッ素樹脂を利用しており、サーモアイFと双璧を成す
遮熱塗料といえるでしょう。
サーモアイFに比べて価格がやや安いことが特徴です。
ガイナ
日進産業が販売する遮熱・断熱塗料で宇宙ロケットの技術を応用しています。
サーモアイFやクールタイトFとは一線を画した塗料で、遮熱のみではなく断熱性能があります。
「遮熱」は太陽光を遮断して熱の発生を防ぎますが、「断熱」は熱の通過を抑制します。
このため、ガイナは太陽光による熱の発生を抑える同時に、室外からの熱の通過も防げるのです。
他の遮熱塗料よりも室温を低下させる効果が期待できますが、性能が高いだけあって
非常に高価な塗料です。
EC-100PCM
アステックペイントが販売するピュアアクリル系の遮熱塗料です。
伸縮性が高い塗料で、遮熱だけではなくひび割れにも強い特徴があります。
従来は低品質だったアクリル樹脂ですが、純度を高めることで高品質化した「ピュアアクリル」に変化させることで高耐久を実現した塗料です。
紫外線が日本の数倍は強いオーストラリアのトップ企業が作っている塗料ですので、遮熱機能に関しては高い性能を誇ります。
しかし、日本の気候には湿度があり、オーストラリアの気候とはあまりに違いすぎるため、
トラブルがないのか心配です。また一般的な遮熱塗料に比べて価格が高いのが難点です。
遮熱塗料は本当に節約効果があるのか?
遮熱塗料に節約効果はあります。
ただし、明確な数値を出せる業者はありません。
使う商品や地域によって効果は大きく異なるからです。
遮熱塗料の価格は一般的な塗料よりも1〜3割ほど高額です。
節電効果は冷房を使う時期しかなく、冬は暖房費用が増える傾向が強いという面もあります
このため、遮熱塗料は寒さが長く続く地域では節約効果がほとんどないでしょう。
一方で、暑い時期が長くて寒い時期が短い地方であれば、遮熱塗料の恩恵を受けやすいです。
また、塗料にかかる費用の増加分を考慮すると、劇的な節約効果は望めないという意見もあります。
結論としては、節約効果には期待をせず、暑い時期に少しでも室内を快適にする目的だけで遮熱塗料を利用したほうが良いでしょう。
まとめ:遮熱塗料の効果はピンキリ!効果がある商品選びを
遮熱性能には基準がないため、ほとんど効果がなくても遮熱塗料を名乗れます。
このため、遮熱性能に優れた塗料を把握しておく必要があるでしょう。
また、遮熱塗料による節約効果は地域によって大きく異なります。
寒冷地だとほとんど節約が期待できないため、節電効果よりも暑い時期の室内を快適にする目的だけで利用したほうがよいでしょう。
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