外壁塗装の見積もりでチェックしたい内訳の金額とは?
外壁塗装を業者に依頼するときに見積もりを取りますが、見積もりにはさまざまな項目があります。項目の内容をうまく読み取ることも業者の選択を成功させる秘訣です。ここでは、見積もりのなかに含まれる各項目の読み方と相場の目安を紹介します。
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外壁塗装業者選択では見積もりが重要
国土交通省の「平成29年度 住宅市場動向調査 報告書」によると、外壁塗装工事を含む住宅リフォーム工事でのトラブルは以下のように「費用」「見積もり」関係がもっとも多くなっています。
1位18.2%「見積もりが適切かどうかわからなかった」
2位10.2%「費用が当初の見積もりよりオーバーした」
3位7.7%「工期が当初予定よりもオーバーした」
料金説明が不明瞭、見積もり時よりも最終的な費用が増えてしまった、というトラブルは少なくありません。また、外壁塗装工事の施工不良は施工後しばらくしてから気づくことが多いと言われています。そのため、施工前の見積もり段階でしっかりと内容を確認することが重要です。
見積もりは大きく分けて6つの項目がある
それでは見積もりの内容を詳しく見ていきましょう。見積もりの内容は多くの場合、以下の7つで構成されています。
足場設置
洗浄
養生
塗装(下塗り、中塗り、上塗り)
付帯部
諸経費
以下で、それぞれについて紹介します。
塗装作業、足場設置、洗浄の各項目の大まかな相場
それでは、各項目を具体的に説明します。相場は季節や地域によって多少変わりますが、おおむね以下の通りです。
足場設置:一平方メートル(足場面積)当たり700~1,000円くらい
足場は家屋を囲むように外壁から50~60センチメートル離して設置するために、面積としては壁面積よりも大きくなります。
なお、「足場代を無料にします」という外壁塗装業者もいます。理由としてよくあるのが「今回の工事は、近くで別の工事をやっていて、その工事後だから経費を節約できます」というもの。しかし、節約できるのはガソリン代くらいで大きな節約にはなりません。足場代を他の項目に振り替えている場合もあるので注意してください。
洗浄:一平方メートル(壁面積)当たり150~250円くらい
洗浄とは外壁にゴミやホコリが残っていると塗料がうまく外壁の表面に乗らないため、塗装の前に汚れを落とす作業です。高圧洗浄機を用いる場合が多く、この作業は塗装作業の前に行われます。外壁にひび割れなどがあるとそこから浸水してシミの原因にもなるため、現地調査のときに十分に検討してもらうことが必要です。
塗装:一平方メートル(壁面積)当たり2,000~5,000円くらい
下塗りは一平方メートル(壁面積)当たり600~1,200円くらいで計算します。中塗りと上塗り(仕上げ塗り)は通常は同じ種類の塗料(仕上げ用の塗料)を使いますが、「二回塗り」と表示してある場合もあります。省エネルギー性の高い断熱・遮熱塗装ではさらに値段が高くなります。
ただし、塗装前の外壁の状態によっては、下地調整としてケレンや補修が必要になるケースがあります。ケレンとは古い塗料をサンドペーパーやサンダーなどで落とす作業です。下地調整をすることで、新しく塗った塗料の付着がよくなります。下地調整は、一平方メートル(壁面積)当たり200〜800円くらいで計算します。
自分の家屋の大まかな壁面積を知っておくと、見積もり取得時に細かく確認しやすくなります。壁面積とは、窓や扉などを除いた施工対象面積のことです。壁面積を大きく見積もる外壁塗装業者に対しては、その理由を質問してみましょう。返答に納得できなければ、その外壁塗装業者は避けるのが無難です。
なお、施工実績が多く、大量に塗料を仕入れる外壁塗装業者では、塗料メーカーとのパイプが太くて、メーカーからの塗料の卸値を比較的低く抑えている場合があります。「安い」と思ったらその点を質問してみるといいでしょう。
塗装は下塗り、中塗り、上塗りと3回行うのが基本ですが、下塗りだけは違う塗料を使うため、下塗り1回、上塗り2回という外壁塗装業者もあります。外壁の状態によっては4回以上行う場合がありますが、そのような場合には当然単価は高くなります。
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その他の項目の大まかな相場
養生:一平方メートル(壁面積)当たり350~450円くらい
養生とは、塗りたくない場所、たとえば窓ガラス、ドアノブ、地面、さらには周辺の樹木、自動車などに塗料が付着、飛び散らないようにネットやビニールシートなどで覆う作業のことです。この作業がいい加減だと、近隣の壁面や所有物に塗料が飛散るといったトラブルが発生するリスクがあります。そのため、足場代や塗装、洗浄と同様に重要な項目です。
付帯部:一平方メートル当たり500~2,000円くらい
付帯部とは家屋の広い面以外の部分のことで、「雨樋(あまどい)」「軒天(のきてん)」「破風(はふ)」などが挙げられます。
雨樋とは屋根の縁に設けられた排水設備で、屋根に降った雨水を排水する機能があります。この雨樋がないと屋根から落ちた水が外壁に直撃してしまい外壁の劣化を早めます。水が流れることによって雨樋そのものも劣化するので、簡単な塗装を行うとよいでしょう。
軒天とは屋根や軒の裏側の部分です。直接雨水がかからないので軽視されがちですが、時間が経過すると劣化してくるので、ここも塗装が必要になります。
破風とは屋根の周囲に張られた板で雨樋がない側をいいます。破風が劣化してしまうとそこから雨水が侵入し、雨漏りの原因となるため破風も塗装の対象です。
諸経費:総額の15パーセント程度
運搬費やゴミの廃棄費用、業者の利益などがここに含まれます。
屋根塗装:外壁塗装にプラス20~30万円くらい
屋根も同時に塗装するのであれば外壁塗装に20~30万円プラスされます。この金額も屋根面積に応じて変わります。屋根塗装は屋根に傾斜が付いているので職人の作業性が悪く、外壁塗装に比べると1平方メートル当たりの単価が割高になります。また、屋根は気候条件の影響を受けやすいため、カビなどの汚れが激しいケースが多いとされています。外壁塗装よりも洗浄費用が高い場合は、水圧が高いトルネード洗浄を用いるなど理由があります。
見積もりの内訳をチェックして外壁塗装を成功させよう
ここで挙げた外壁塗装の相場は大まかなものですが、この相場より安すぎる、または高すぎる場合には何らかの理由があるので外壁塗装業者に説明してもらうといいでしょう。見積もりの段階で納得できるのかが外壁塗装を成功させる鍵となるのです。
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