アパートの外壁塗装を成功させるポイントや費用について
アパート経営において建物(アパート)は重要な資産ですので、ベストなタイミングで外壁塗装をしたいものです。アパートの外壁塗装は一般住宅の外壁塗装と比べると工期が長く費用もかかります。また、入居者や近隣住民への対応も適切に行う必要があります。
大きな労力がいりますが、外壁塗装によって建物が美しくなればオーナーも入居者も大きな満足が得られるはずです。アパートの外壁塗装を成功させるためにも、外壁塗装の費用や工期、トラブル対策などをしっかり確認しておきましょう。
アパートの外壁塗装が必要な理由とは
アパートの外壁塗装は入居者への連絡やトラブル対策が必要ですし、用意すべき工事費用も数百万円規模に上ります。そのため入念な準備が必要で、面倒に感じるオーナーもいるかもしれません。しかし、アパートの外壁塗装にはさまざまなメリットがあるのです。
見た目の美しさがアップする
外壁塗装によって経年劣化による外壁の色あせや汚れがなくなります。「マット」「光沢」など質感を変えることも可能です。外観が良くなることで入居者の建物に対する満足度が向上し、入居率も上がることが見込めます。
建物の機能性がアップする
断熱効果や遮熱効果のある塗料を使用すれば、夏の暑さから建物を守れ、若干ですが室温を下げる効果もあります。また、断熱塗料は熱の伝わりを防止するため、暑さだけでなく冬の寒さも軽減させます。遮熱塗料は直射日光による外壁の温度上昇を抑えるため、夏の暑さ対策として有効な塗料です。セルフクリーニング効果のある外壁塗装を行えば、今後も外壁を美しく保つことも可能です。
建物の耐久性がアップする
防水性能や耐水性能の向上により、建物の耐久性を向上させることができます。外壁にひび割れがある場合も、小さなものなら外壁塗装の工程内で補修可能です。建物の寿命が長くなれば、その分アパート経営も長く行うことができます。
外壁塗装のデメリットとしては工事にかかる手間や費用が挙げられるでしょう。しかし外壁塗装をせずに建物の劣化が進んだ場合、のちにもっと大きな費用がかかることが予想されますし、建物の劣化が激しくなることでアパート経営そのものが成り立たなくなってしまう懸念があります。そのため、手間や費用も必要なメンテナンスの一部と言えます。
アパートの外壁塗装をする時期やタイミングについて
アパートの建物構造は木造、軽量鉄骨造が一般的です。軽量鉄骨造は柱、梁(はり)などの構造部に鋼材を使用した建物構造で、建物の耐久年数は木造アパートよりも長くなります。建物構造が違っても外壁塗装の内容が大きく変わるわけではありませんので、塗装に向いた時期はどちらの場合も同様です。ただし、アパートの外壁塗装特有の注意点があるので紹介します。
アパートの外壁塗装の時期
一般的に外壁塗装に向いている時期は春と秋です。春と秋は外壁塗装の塗装条件を満たしやすい時期だからです。外壁塗装では重ね塗りを行いますが、その際に前の塗料が乾燥していないとその上に重ねて塗装できません。乾燥のためには「湿度85%以下」「気温5℃以上」の条件を満たしていることが必要です。冬と夏、そして梅雨の時期はこの条件を満たしにくいため、外壁塗装に向きません。
そのほか、アパートの外壁塗装の時期を考える際には、次のような点に注意したいです。
- 塗装期間中はアパートに足場や養生がされるため、部屋探しをしている人にアパートを良い状態
で見てもらうためにも、年度末や春先の引っ越しの多い時期は避ける - 引っ越し検討時期(通常1~2月)に塗装が終わったあとの美しい状態だと、入居を検討して
いる 「見込み入居者」からの印象がいい - 工期が長くなると入居者の不満につながりやすいので、工期が長引く可能性の少ない時期がいい
もともと夏は塗装に不向きな時期ですが、アパートの場合特に夏は避けた方がいいでしょう。夏は台風シーズンでもあるため、外壁塗装の工期が長引くリスクが高いためです。自然が理由だとしも、当初の予定を延長することは入居者の理解が得られない可能性があります。また、外壁塗装の最中は「洗濯物を干せない」、「窓の開放が難しい」など、入居者の生活に一定の制限が生じます。工事延長により不満がたまれば、その後の契約更新に影響を及ぼすかもしれません。
アパート外壁の耐用年数とタイミング
外壁塗装のタイミングは塗料の寿命に左右されます。一般的な塗料の耐用年数は10~15年ですが、塗料のグレードによっても耐用年数が異なります。
- ウレタン樹脂系塗料
耐用年数 8~10年程度
以前は人気の塗料でしたが、シリコン樹脂塗料が主流になったため最近はあまり使われることはありません。
- シリコン樹脂系塗料
耐用年数 10~15年程度
ウレタン樹脂系塗料よりも価格帯は高いですが、耐用年数が長く現在主流の塗料です。人気が高いだけに機能・色・ツヤ(光沢)などの種類が豊富です。さまざまな塗料があるためニーズに合った塗料が見つかるでしょう。
- ラジカル制御系塗料
耐用年数 14~16年程度
防カビ・防藻性、防汚性などに優れており、耐用年数も長くなります。シリコン系樹脂塗料よりも価格は高くなりますが、頻繁に工事をするのが難しいアパートの外壁塗装では検討の余地があります。
- フッ素樹脂系塗料
耐用年数 15~20年程度
耐久性、耐候性の高さが特徴ですが、それだけでなく、防藻性、防カビ性にも優れています。また、外壁に付着した汚れを雨水で洗い流すことができる親水性があり、外壁が汚れにくくなります。高性能ゆえに価格も高くなりますが、汚れにくさを重視するのなら検討しましょう。
塗料の耐用年数に応じて外壁塗装をすることは非常に重要です。外壁塗装は外壁を守りますので、外壁塗装を正しいタイミングで行えば、外壁の耐用年数を長くすることができます。外壁の耐用年数が伸びば、躯体も長持ちします。ただし、塗料の耐用年数はあくまで目安です。劣化要因が多ければ耐用年数よりも早く劣化するため、外壁の状況を確認しながら外壁塗装のタイミングを計っていくことが重要です。
<一緒に見たい記事>アパートの耐用年数には2つの種類があるってホント?
アパートの外壁塗装の費用について
外壁塗装はアパートの経営において必要なこととはいえ、オーナーとしては費用や工期も気になるところでしょう。アパートの外壁塗装における費用目安と工期を見ていきます。
アパートの外壁塗装における費用目安
アパートの規模により異なりますが、一般的な規模の2階建てアパートと、3階建アパートの目安は次のとおりです。
費用の目安
- 2階建て200~300万円
- 3階建て200~400万円
ただし上記は目安であり、塗料のグレードや外壁の劣化具合によって価格は変わってきます。
塗料のグレードと費用相場は次のとおりです。
- ウレタン樹脂系塗料 1,800~2,200円/平方メートル
- シリコン樹脂系塗料 2,500~3,200円/平方メートル
- ラジカル制御系塗料 3,000~3,800円/平方メートル
- フッ素樹脂系塗料 4,000~4,500円/平方メートル
外壁塗装の費用において塗料代の占める割合は20%程度とされます。塗料以外にも足場代や人件費がかかりますが、足場代や人件費は必要経費となるため節約できません。しかし塗料については施主が任意に選ぶため、費用を調整できます。塗料の費用グレードを把握しておくことは予算を立てる際に役立つでしょう。
なお、外壁塗装やリフォームにおいて工事費が500万円以上になる場合には、建設業の許可を受けた業者に工事を依頼する必要があります。仮に工事費用が500万円未満だったとしても、追加工事が必要になり費用が膨らむことがあるかもしれないため、当初から建設業の許可のある業者に依頼しておきたいです。
アパートの外壁塗装における工期と工程
アパートの外壁塗装の工期は天候や外壁の状態にもよりますが、おおむね2~3週間程度です。工事の流れは次のとおりです。
外壁塗装の工程
- 足場の設置
作業をするための足場を設置します。通常1日ですが規模によっては2日かかります。
- 塗装の下準備
外壁を高圧洗浄して汚れを取り除きます。また外壁の下処理として、ひび割れの補修やコーキング補修を行います。劣化が激しいときは工数や時間がかかります。
- 養生
塗料が不要な部分にビニールをかぶせ、付着するのを防止する作業です。
- 塗装
下塗り、中塗り、上塗りの3度塗りが一般的です。塗りと塗りの間に「乾かす」工程が入るため、時間をおいて塗っていきます。
- 仕上げ
塗りムラの修正や手直し・雨どいの処理など。
工程は天候によって後ろにずれ込む可能性があります。工期に不安がある場合は余裕を持って工事を依頼したうえで、天候による影響について業者によく聞いておきます。「どの工程で」「どんな天候だと工事が進まないのか」を確認しておくと、自身でも工期のずれを把握しやすいでしょう。
外壁塗装以外の補修をまとめて行うことも検討しよう
アパートのメンテナンスには外壁塗装以外にも屋根塗装やベランダ補修などがあります。工事のたびに入居者・近隣へあいさつするのは手間が大きいですし、何度も足場を組むのは大変です。一緒にできる工事はまとめて行うと、手間が軽減されるだけでなく費用面も経済的です。
屋根の塗装
屋根のメンテナンスは主に3つあり、状況に合わせて行います。
- 屋根の塗装
- 屋根の部分補修
- 屋根の張り替え(ふき替え)
傷みがそれほどひどくなければ、3つのうち屋根の塗装のみをします。塗装により防水性能を維持、もしくは向上させることが可能です。実は屋根の塗装は「足場を組む作業」や「高圧洗浄」など外壁塗装と同様の作業が多いですし、工程もほぼ同じのためまとめて工事しやすいのです。
なお、屋根のメンテナンスは10年に一度程度とされています。次回以降も外壁塗装と同時期にメンテナンスを行えるよう塗装の耐用年数を合わせるといいでしょう。
<一緒に見たい記事>アパートの屋根のメンテナンスと修繕について
ベランダの補修
ベランダの補修は主に防水工事を指します。常に雨風にさらされているベランダは、雨漏りのリスクが高い部分でもあります。屋根や外壁は雨が降っても水は重力に沿って地面に流れるのが通常ですが、ベランダは基本的に水平なので水がたまりやすいのです。
そのためベランダには水はけが良くなるように防水加工がされ、かつかすかな傾斜でさらに排水しやすくしています。しかし防水加工は経年劣化するため、防水塗装がはがれて水がベランダの床材に染み込んでしまうことがあります。ベランダの床材に水分が染み込むと雨漏りや劣化の原因になります。
ベランダの防水塗装も定期的に行うべきメンテナンスですので、外壁塗装と同時に行うケースが多いです。ベランダの防水で一般的なのは、ウレタン樹脂を塗って塗膜による防水層を作る「ウレタン防水」と、強化プラスチックのシートを貼り付ける「FRP防水」です。
- ウレタン防水(密着工法)
ベランダに直接ウレタン樹脂を塗っていきます。工期が比較的短く費用もお手ごろですが、床材に直接塗っているため、防水層にひび割れや膨れが生じるとベランダに直接影響が出ます。
- ウレタン防水(通気緩衝工法)
通気効果や緩衝効果のあるシートをベランダに貼り付けて、その上にウレタン樹脂を塗っていきます。密着工法よりも費用は高めになりますが通気効果があるため、防水層に水分や湿気がたまりにくいです。
- FRP防水
強度が強くて耐久性に優れている強化プラスチックを貼り付けてコーティングします。費用はやや高くなりますが、乾燥までの時間が非常に短く防水加工を短時間で終わらせることが可能です。
その他の修繕
ほかにも次のような箇所の修繕があります。
- 共用部分の手すりや階段の修繕
防さび修繕や塗り直しを行います。「塗る」作業になりますので、外壁塗装と同時に工事しやすいです。
- 給排水管工事や給水ポンプ
排水管の寿命は15年程度で、アパート内の各戸に給水する設備の給水ポンプの寿命は15~20年程度。交換する際は大がかりな工事になりますし、費用も大きくなりますので、外壁塗装と同時に点検やメンテナンスを検討してもいいでしょう。
- 給湯器やエアコン交換
外壁塗装の工事中には給湯器やエアコンの使用に一定の制限がかかります。入居者の理解が得られるのであれば、使用を控える期間に交換すると効率的です。
修繕は基本的に症状が出たあとに行うと費用が大きくなります。定期的な点検を行い、問題が生じる前にメンテナンスするのが望ましいです。外壁塗装も時期を逸すると外壁が劣化し、雨漏りにつながる恐れがあるので注意しましょう。
まとめて工事をする場合に共通するメリットは効率の良さです。見積もりや打ち合わせは同時に行えますし、工事の準備や工程においても、共通する部分を一緒に行うことで、費用と期間を圧縮できます。施主であるオーナーの手間も工事回数が少なくなり軽減されますし、入居者にとっても工事による生活の制限が少ない方がいいでしょう。
ただし、個別に工事をするより工事期間は短くなりますが、1回の工事期間は長く、費用も膨らみます。そのため前々から修繕費をしっかり積み立てて計画していくことが重要です。
<一緒に見たい記事>アパートの修繕費は目的に応じて種類が異なる
アパートの外壁塗装のトラブル対策
アパートの外壁塗装が満足いくものだったとしても、外壁塗装でトラブルが発生しては満足感も薄れてしまいます。ここでは外壁塗装のトラブルの内容やその対処法について解説します。
アパートの外壁塗装におけるトラブル・クレーム要因
トラブルやクレームの要因は次のとおりです。
- 生活を制限される不満
洗濯物を干す、エアコンの使用、窓の開閉など、普段の生活で自由に行えていたことに一定の制限が生じますので、不満がたまりやすくなります。
- プライバシー面の不満
ベランダや窓の外で作業するため、部屋の中が見えてしまう可能性があります。カーテンを閉めていても、窓やベランダ周りに人がいることで気を使うものです。うっかり窓を閉め忘れたり、カーテンを引き忘れたりしないように注意喚起をします。
- 環境に関する不満
足場を組むときや高圧洗浄機使用中には大きな音が出ます。また、塗料には臭いがするものもあります。家で仕事をする人や、体調が悪く休んでいる人などにとっては切実な問題かもしれません。
- 業者のマナーが悪い
路上駐車や路上喫煙、作業中の大声など業者のマナーが気になる人も多いです。外で作業をするため入居者だけでなく近所の人も気になるでしょう。
- 被害が不安
駐車場に止めてあった車や、ベランダの物干し竿に塗料が付く、もしくは高圧洗浄のときの汚水が飛んでくるなどです。心配するだけでも神経がすり減りますし、実際に被害が生じてしまうこともあるでしょう。こちらも入居者に加えて近隣への注意が必要です。
これらのトラブルを防ぐポイントは丁寧なあいさつ回りと柔軟な対応です。
告知とあいさつ回りは、工事概要の告知と、詳細な告知を使い分けます。工事をする旨や大まかな日程は早い段階で連絡し、近くなったら詳細な工程や注意点を都度連絡すると漏れが防げます。業者に頼んでもいいのですが、オーナーが一緒だとさらに印象が良くなります。
オーナー自ら行えば事足りると考える人もいるでしょうが、専門的なことを聞かれるかもしれませんので業者の人と同行の方がいいでしょう。業者をメインにしオーナーが同行する形がおすすめです。また入居者だけでなく、近所の家にもあいさつしておきます。
きちんと事前連絡をすることで「聞いていない」「知らなかった」といったトラブルを防ぐことができますし、トラブルが起こってしまった場合にもクレームに発展しにくくなります。とはいえ、複数いる入居者や近隣の人すべてを満足させるのは難しいかもしれません。
残念ながら丁寧に仕事をしていてもクレームを受けてしまう可能性はあります。そういったときに、大切なのは、相手に落ち着いてもらうことです。まずは「話を聞ける」「いったん相手の怒りを受け止められる」ような大人の対応ができる業者を選びましょう。大人の対応ができる優良業者ならばマナー面も安心です。
アパートの外壁塗装時の防犯対策
トラブルやクレーム対策と同時に注意したいのが防犯対策です。外壁塗装の工事中は足場があるため不法侵入や盗難リスクが高まるからです。万一盗難や器物破損などが発生したらクレーム以上の問題になります。業者にはその日の作業が終わったら足場の入り口をふさいでもらうほか、入居者へも戸締まりの徹底をお願いします。
基本的なことですが関係者全体で防犯意識を持つことが重要です。
オーナーも防犯カメラや、人が通るとライトがつく防犯センサーを設置するといった対策を講じましょう。もしも不審者を見かけた場合は実害がなくとも警察にお願いして巡回を増やしてもらいます。
トラブル対策も防犯対策も、オーナーと業者の二人三脚が欠かせません。オーナーがいくら重要性を理解していても、意向が業者に伝わらなくては意味がないからです。打ち合わせ段階で問題意識を共有し連携して対策を行っていきます。
アパートの外壁塗装を成功させる3つのポイント
アパートの外壁塗装を成功させるため3つのポイントを紹介します。
ポイント1 業者選び
アパートは一般の住宅よりも規模が大きいですし、入居者対応にも気を配る必要があります。
そのため、アパートの外壁塗装の経験がある業者を選びたいところです。
また、前述のとおり工事費が500万円以上になる場合には、建設業の許可を受けた業者に工事を依頼しなければなりません。建設業の許可のほか、次のような資格についても知っておきましょう。
- 1級、2級建築士
- 1級、2級建築施工管理技師
- 1級、2級建築塗装技能士
免許がなくとも技術力のある業者はいるため、免許があれば安心というわけではありません。資格の有無で業者の良し悪しを判断するのではなく、失敗を避けるための判断材料として資格を確認します。たとえ資格がなかったとしても、「資格はないけれども実績はこれだけあります」と施工事例を示してくれる業者なら安心できるでしょう。
ポイント2 経営者の目で外壁塗装を行う
外壁塗装を行う目的を忘れないようにします。アパートの外壁塗装をする目的の第一は入居率の向上です。外壁塗装の色や配色を決めるときは、オーナー自身の好みよりも想定する入居者の好みを優先させます。
第二の目的が建物の寿命を延ばすこと。つまり、長く収益を得られるようにすることです。そのために外観を良くしたり、防水性を向上させたりします。基本的にお金をかけることでより美しくなりますし、性能も向上すると考えていいでしょう。しかしアパート経営は事業である以上、かけた費用が回収できるかも考慮するのが大切です。
アパート経営の収益を算出する際は、年間収益から年間経費を差し引きます。外壁塗装にかかる費用は、次の外壁塗装までの年数で割って計算するといいでしょう。
例えば外壁塗装の工事費が300万円で、次の外壁塗装が10年後と想定するならば、外壁塗装の1年当たりの経費は30万円(300万円÷10年)です。30万円とその他の年間経費を差し引いてもその年の収益がプラスになるのが理想です。
ただし、資産価値や今後の入居率(収益率)の向上につながるのならば、一時的に収益がマイナスに減じても工事をする意義はあります。逆に建物自体の寿命がそう長くない場合は、外壁塗装や屋根塗装に費用をかけるよりも、建て替えを検討した方が将来性はあるかもしれません。かける費用とそれによって得られる収益の双方のバランスを考えながら工事の規模や予算を考えましょう。
ポイント3 工事の全体を把握し、長期的な修繕計画を持つ
外壁塗装は時間も費用もかかりますし、工事時期の取り決めや入居者への連絡など事前の準備も多いのす。早い段階から全体の見通しを立てて調整していかないと、やるべきことに忙殺されて何が重要なのか見失ってしまう可能性があります。オーナー自身がスケジュールや予算について、イメージを持ったうえで業者に相談や調整しましょう。
さらに、長期的な修繕計画も重要です。外壁塗装は10年後や15年後に再度行うものですので、その間に次回の外壁塗装の費用を用意していかなくてはなりません。入居者の過失で部屋が破損したような場合は別として、基本的に経年劣化による修繕はすべてオーナーの負担です。毎月の家賃収入から修繕費用を積み立てて、資金不足に陥るのを回避しましょう。
修繕資金を用意し、定期的に外壁塗装や屋根塗装などを行うことで資産価値が守られ、アパート経営も安定するのです。
外壁塗装では事前の準備が重要
外壁塗装は工事をしっかり行うことに目が行きがちかもしれません。しかしアパートの外壁塗装工事には、工事の前段階の準備が大切です。例えばアパートの外壁塗装では適したタイミングも限られるため、
適切なときに外壁塗装ができるよう早めに動く必要があります。
また、予算に応じた塗料選びやトラブル対策など、打ち合わせ段階の取り決めがのちに成功の鍵を握ります。事前準備を入念に行いオーナーも入居者も満足のいく外壁塗装を行いましょう。
弊社は、外壁塗装に関する情報を正直に公開しています。中には外壁塗装業界の不都合な真実もありますが、お客様に有料な業者を選んでもらうために包み隠さずお伝えしているのです。
エスケーハウス株式会社は、おかげさまで南九州地区で売上No.1の実績があります。これも、正直にお客様のご満足と向き合い続けてきた結果だと考えております。
外壁塗装業者の選定に役立つ情報は他にもご用意しております。ぜひご覧ください。
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参考:
- ヒートアイランド対策技術分野(建築物外皮による空調負荷低減等技術)実証済み技術一覧|環境省 環境技術実証事業
- アパート経営の基礎知識 アパート経営に採用される建物構造|東建コーポレーション
- ポンプについて|ビル設備365
- 不動産投資の利回りは何%が理想?シミュレーションを用いて解説!|レイビー