2020.9.22

長く住める家のためにメンテナンスの必要性やコツを知ろう

 

家は建てて終わりではありません。その後も安全・快適に住んでいくためには適切なメンテナンスが必要です。メンテナンスにより家の耐久性を高めれば長く住むことができますし、家にかかるトータルコストも節約できます。とはいえ、家のメンテナンスは家の構造や部材の耐久性、立地などによって微妙に異なります。また、メンテナンスを頼む先はハウスメーカーや工務店などさまざまです。メンテナンスの必要性をあらためて伝えるとともに、メンテナンスの時期や内容について解説します。

家のメンテナンスとは

家のメンテナンスには多くの種類があります。メンテナンスは「傷んだ部分の補修」を指す場合もありますが、本来は「維持」や「保全」が目的ですので、傷む前の処置も含みます。主なメンテナンスとしては家の点検、維持、管理、補修がありますので、これらのメンテナンスの内容を3つに分けて紹介します。

家のメンテナンスは不具合が起こる前にするのがポイント

メンテナンス1 点検や管理

問題のない状態での定期的なメンテナンスです。例えば住宅設備の動作点検や台風のあとの外壁チェックなどです。専門家に頼む場合のみならず、ご自身で家の状態をチェックすることもメンテナンスに含まれます。

メンテナンス2 維持や保全

何らかの不具合が生じる前の部品交換・クロスや外壁の張り替えなどのメンテナンスです。具体的な不具合はなくとも、耐用年数に不安を感じるころに行うことが多いです。排水口の清掃やレンジフードのフィルター交換なども広い意味でのメンテナンスに含まれます。大規模なものですと、家の耐久性を守るための外壁塗装や屋根塗装が該当します。

メンテナンス3 補修や改修

傷みや不具合が生じた場合の対応です。比較的小規模な補修は網戸交換やドア交換など、問題のある部分を交換するような対応です。大規模なものになると、キッチンやお風呂など水回りのリフォームが該当します。

メンテナンスは傷みや不具合が生じる前に点検を行うのではなく、具体的な問題が生じてから対処すればいいと考える人もいるかもしれません。しかし、不具合が起こる前からメンテナンスを行うことで家のトータルメンテナンスコストが下がります。

例えば外壁塗装は日ごろから外壁を注視(点検)することで「塗装のはがれ」や「ひび割れ」など、劣化の兆候を把握可能です。本格的な劣化が始まる前に外壁塗装を行えば補修箇所も外壁そのものの傷みも少ないでしょう。

仮に劣化が進み、外壁が傷んでしまうと、外壁の張り替えやリフォームなど、より大がかりな工事が必要になるか可能性があります。

適切なメンテナンスは、家の耐久性を確保しつつ、家のトータルメンテナンスコストを下げることができるわけです。特に外壁塗装のように、百万円単位の費用が発生するものもありますので、費用がかかる前にメンテナンスを行うのが効率的と言えるでしょう。外壁材や屋根材、環境によって耐用年数は異なるので、自身の家の状態に応じてメンテナンスを行いたいものです。

長く住むための長期優良住宅が普及

メンテナンスについて考えるうえで知っておきたいのが「長期優良住宅」です。長期間、快適に住むための工夫がされた家と考えるといいでしょう。近年「長期優良住宅」は存在感を増しています。国土交通省によると、新築物件における共同住宅を除いた長期優良住宅の認定件数は2018年度に「108,800戸」、2019年度に「106,252戸」でした。地球環境の保全が叫ばれるなか、家はメンテナンスによって長く住む時代になっているのです。

※参考:長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく長期優良住宅の認定状況について(令和2年3月末時点)|国土交通省

なお、長期優良住宅の認定を受けるための要件は主に4つありますが、そのうちのひとつに「維持保全の期間、方法を定めていること」とあります。ここからも、家に長く住むためにメンテナンスが重要なことが分かります。長期優良住宅認定の要件は以下のとおりです。

  1. 長期に使用するための構造及び設備を有していること
  2. 居住環境等への配慮を行っていること
  3. 一定面積以上の住戸面積を有していること
  4. 維持保全の期間、方法を定めていること

メンテナンスにはリフォームや改修工事なども含まれますが、それらを適切に行うことは家の住みやすさを維持、向上する効果も見込めます。長期にわたって心地よく住むためにも、しっかりとメンテナンスを行っていきたいものです。

家のメンテナンスが必要な箇所とその時期

家のメンテナンスはどのように行っていくのか、住宅産業協議会の「住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド60年版」を参考に、重要度の高い部分について紹介します。

主要部分のメンテナンスと時期

躯体構造のメンテナンス

躯体構造を守るためには、防アリ処理が5~10年おきに必要で、費用は1回当たり15~20万円程度です。耐用年数は躯体の強度や地盤などによって異なりますが、築20年を経過したころに専門家に点検を依頼するといいでしょう。また、台風や地震など自然災害のあとには構造体にひび割れや異常がないかも確認したいところです。

外壁のメンテナンス

外壁や屋根は雨風や紫外線などの外的要因から躯体構造を守る役目があります。外壁は雨風にさらされると劣化しやすいため10~20年おきに外壁塗装を行います。ひび割れの補修やコーキング補修も外壁塗装と同時に行うことが多く、築25年を超えたら外壁の張り替えや重ね張りも視野に入れていきます。

 

※外壁のメンテナンスについては、「外壁塗装の耐用年数は何年?定期的なメンテナンスで長持ちさせよう」
をご覧ください。

 

屋根のメンテナンス

屋根は10~20年おきに屋根塗装を行います。築25年を超えたら屋根の葺き(ふき)替えや重ね葺き(ふき)も視野に入れていきます。ただし、飛来物の影響を受けやすいため、台風や暴風雨のあとはできる範囲で屋根の状態を確認しておきたいところです。状態に異常があると思われるときは、無理に確認しようとせず専門家に点検を依頼しましょう。

外壁塗装と屋根塗装の費用目安は60万~80万円です。外壁塗装と屋根塗装はおおむね住宅購入時から10~20年後にメンテナンスを行います。両者はメンテナンス時期が近く、足場設置や高圧洗浄など共通する工程が多いので、一緒に行うと工程が減らせて経済的です。

またそのときにはベランダの防水塗装も一緒に行うことを検討しましょう。ベランダの防水塗装は外壁や屋根と同じく住宅購入時から10~20年が塗り替え時期です。なおベランダは普段からこまめに掃除して、排水溝をきれいに保っておきましょう。また、デッキブラシは防水膜を傷付ける恐れがあるので使用を避けた方が無難です。

水回りのメンテナンスと時期

キッチン、洗面所、浴室、トイレなどの水回りは毎日使用するため、日常的な掃除や普段から丁寧に使うことが大切です。一般的な使用状態であれば、住宅購入時から5~15年ほどはおおむね点検や消耗品の交換ですみ、15~20年程度経過後に設備そのものの交換、もしくはリフォームが望ましいと言われています。

水回りにおける消耗品の交換は、ガスコンロであれば「五徳」や「焼き網」、お風呂であればシャワーヘッドなどが該当します。主なメンテナンス個所は以下のとおりです。

点検や消耗品の交換に気を配るべき箇所

1 キッチン

ガスやIHコンロ、レンジフード、食洗器など

2 トイレ

便座やタンク、温水洗浄便座、換気扇など

3 洗面所

洗面ボール、洗面台や鏡の接合部分など

4 お風呂

給湯機、給排水器具、シャワーヘッドやシャワーホース、浴槽のゴム栓、ドアなど

リフォームでは、キッチン、洗面台、便座、ユニットバスなどの本体交換をします。湿気により土台や柱に腐食が生じると大がかりな工事が必要になるため、別々に交換する場合は築15~20年を目途に少しずつ進めていきます。複数個所をまとめて行ってもいいでしょう。

キッチンや洗面台、ユニットバスは常に進化しています。劣化が生じていなくても、機能性や使い勝手に不満がある場合はリフォームを検討してみるといいでしょう。また、日々の掃除も重要なメンテナンスのひとつです。

上記以外のメンテナンスと時期

その他に、以下のような箇所がメンテナンスの対象です。

外部建具

玄関・サッシ、網戸、シャッターなどの部品交換、もしくは本体交換。外に面しているので使用状態や環境により耐用年数は変わりますが築25年を過ぎたら本体交換を検討します。

内装

フローリングやクロス、畳などは使用状態にもよりますが、25年程度で張り替えが必要です。部分補修として、美観を回復するための張り替えを、必要に応じて行います。

外壁、屋根材、工法はハウスメーカーごとに特徴がある

雨風をじかに受ける外壁や屋根は素材によって耐久年数が変わります。前章で紹介した外壁と屋根のメンテナンス時期はあくまで一般的なグレードの部材を使用している場合です。

外壁材や屋根材の種類は豊富にありますが、ハウスメーカーは独自の外壁材や屋根材を開発、製造しています。

ハウスメーカーに明確な定義はありませんが、営業範囲が全国にわたり、資本金が何百億円規模の建設会社と考えるといいでしょう。

自社工場を持っていたり作業がシステム化されていたりすることが特徴です。豊富な資金力を持って独自開発を行い、かつ、開発した部材や商品を自社工場で生産することにより品質の安定性を確保しています。ハウスメーカーの外壁や屋根材にどんなものがあるのかいくつか紹介します。

ダイワハウス

ダイワハウスの「シームレス外壁」は外壁に目地がないため、防水性・防露性の高い壁構造です。また、バルコニーの防水は多重構造となっており、防水性能、耐火性能に優れています。なお、構造は基礎の底部と立ち上がり部がコンクリートで一体化されており、シロアリにも強い造りです。

※参考:高耐久「シームレス外壁」|ダイワハウス

ミサワホーム

ミサワホームの屋根は屋根パネルの裏側に断熱材を設置することで、夏は暑さを抑え、冬は寒さを緩和します。外壁は雨やほこりが付着しにくい「親水タイル」を使用し、壁や床は強度の高い「木質パネル」を使用することで家を守ります。

※参考:木質パネル|MISAWA

積水ハウス

積水ハウスでは、家の形状に応じたオリジナル外壁があります。例えば木造1〜3階建てのオリジナル外壁としては、陶版外壁「ベルバーン」があります。陶器と同じ工程で焼き上げた素材で、温かな風合いを持ちます。

鉄骨1階、2階のオリジナル外壁には高強度・高耐久でありながらデザイン性も高い「ダインコンクリート」や、軽さと高耐久性を合わせ持つ「セラブリッド」などがあります。

※参考:オリジナル外壁|SEKESUI HOUSE

セキスイハイム

セキスイハイムの「磁器タイル外壁」は紫外線や酸性雨に強く、汚れもつきにくい素材です。親水性が高く、水の膜が外壁から汚れを守ります。

屋根材はサビや雨風に強いステンレス資材を推奨しており、「メンテナンスの必要性が低い家」がコンセプトです。

※参考:耐久性能|セキスイハイム

パナソニックホームズ

パナソニックホームズのタイル外壁「キラテック」は光触媒技術を用いています。光触媒外壁を簡単に言うと、セルフクリーニング効果が高い外壁のことです。「汚れが付きにくく、落ちやすい」外壁と考えるといいでしょう。

屋根や外壁のメンテナンスといえば外壁塗装や張り替えが該当しますが、部材によって耐久性が異なるため部材の特徴に応じてメンテナンス時期も変わってきます。外壁によっては塗装を行う必要性がない外壁材もあるのです。

また、シロアリ対策のされた構造であれば防アリ工事の頻度も少なくなります。このように家の特徴に合わせてメンテナンス時期を調整していくのが望ましいのです。

※参考:光触媒技術|Panasonic Homes

<一緒に読みたい記事>ハウスメーカー独自の外壁や工法の特徴を知っておこう

大手ハウスメーカーにはメンテナンスを含めたアフターフォローがある

大手ハウスメーカーでは独自のメーカー保証があります。一般的な保証内容や期間を紹介します。

ハウスメーカーの保証

ハウスメーカーでは一定の「初期保証」を設定し、初期保証期間が終了すると比較的短期間の「延長保証」を選択できるのが一般的です。

初期保証は30~35年程度ですが、保証の対象となるのは「構造上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」が中心です。両者を同じ保証年数にしているハウスメーカーもあれば、「構造上主要な部分」は35年、「雨水の浸入を防止する部分」は30年などと差を設けているハウスメーカーもあります。

さらに「防アリ保証」を10年といったように、初期保証の対象を増やしているケースもあります。

延長保証の適用を受ける際の点検は有償です。有料点検を受け、家の維持に必要な工事をすることで、長期的な保証の対象となるのです。「60年保証」「建物が存在するかぎり保証が続く」など長期間保証する旨の記載がある場合には、初期保証期間と延長保証についてよく確認しましょう。

ハウスメーカーの点検

初期保証期間では、定期的に無料点検を受けることができます。ただし、点検の結果必要と判断されたメンテナンス工事に関しては有償です。

点検の時期はハウスメーカーによってあらかじめ決まっています。例えば次のようなスケジュールです。

  1. 1カ月点検
  2. 6カ月点検
  3. 12カ月点検
  4. 5年点検(以後は、5年ごとに点検を行う)

保証期間終了後の点検に関しては有償なこともあり、実施するかどうかは任意です。有償点検の費用はだいたい数万円程度です。

保証期間中はその他のアフターフォローも受けられます。例えば水漏れやトイレの詰まり、住宅設備の不具合など、住まいに関するトラブルを24時間相談できる電話窓口があります。

多くのハウスメーカーは家の購入者専用の「Webサイト」を用意しており、住宅設備に関するよくある疑問に答えたり、よりよく住むための生活の知恵や工夫を掲載したりしています。なかには、消耗品の交換方法を動画で解説してくれるハウスメーカーもあります。

<一緒に見たい記事>ハウスメーカーのアフターサービスを知っておこう

メーカーのメンテナンスと法律上の瑕疵(かし)担保責任

ハウスメーカーが独自に行っている点検やメンテナンスとは別に、住宅には品確法(住宅品質確保促進法)で定められた保証責任があります。品確法において新築住宅の売主は、「主要部分の瑕疵(欠陥)について引き渡しから10年間責任を負う」としています。この責任を「瑕疵担保責任」といいます。

しかし法律で責任を定めたところで、売主に保証するだけの資力がないと責任を果たすことはできません。実際に、2005年11月に起こった、マンションの耐久性を偽造する「構造計算書偽造事件」では、マンションの販売会社が瑕疵担保責任を果たすことなく倒産してしまいました。

このような問題を解決するために登場したのが「住宅瑕疵担保履行法」です。

新築物件の瑕疵担保責任

住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅を建築したハウスメーカーや販売した不動産会社には住宅の引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。そして、実際に瑕疵があった場合に、資力の不足や倒産などに左右されず責任を果たせる、次の2つの方法が義務付けられています。

  • 住宅の供給戸数に応じて保証金を供託すること
  • 「住宅瑕疵保険」への加入

万が一ハウスメーカーや不動産会社が倒産してしまったのちに瑕疵が見つかった場合でも、供託された保証金や保険金で瑕疵を補修できます。

ただし、住宅瑕疵保険の対象となる範囲は限られています。

【住宅瑕疵保険の対象となる範囲】

  • 住宅の構造耐力上主要な部分

屋根版、壁、柱、床版、土台、基礎など

  • 雨水の浸入を防止する部分

屋根、開口部、外壁など

※木造戸建て住宅の場合

なお、ハウスメーカーと住人側とで瑕疵の有無や範囲について意見の相違が生じた場合には、第三者機関である「住宅紛争審査会」に調停・仲裁を依頼が可能です。費用は申請手数料の1万円のみです。

リフォームの瑕疵担保責任

リフォーム工事や大規模修繕などに対しても瑕疵担保責任は生じます。ただし、リフォーム工事での保険加入は義務付けられておらず、リフォーム工事を行う業者が任意で加入します。購入者が個人で加入することはできないため、契約前に住宅瑕疵担保責任保険加入の有無を確認しておくといいでしょう。主な内容は以下のとおりです。

対象部分

リフォームでの住宅瑕疵担保責任保険の対象は原則としてリフォーム部分のみ。また、リフォーム箇所によって保険期間が異なります。

保険期間

  • 構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分 5年間
  • その他の部分 1年間

住宅瑕疵担保責任保険では、補修費用だけでなく調査費用や仮住まいが必要な場合の「転居、仮住まい費用等」も保険金の支払い対象です。

なお、国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体」であれば、一定規模以上の工事について住宅瑕疵担保責任保険の加入が義務付けられています。

建設中の建物に保証はあるか

注文住宅の建設途中に建設会社が倒産した場合に備える「住宅完成保証制度」もあります。実は工事中の建物は建築会社に所有権があり、建設会社が倒産すると施主が所有権を主張できないケースがあります。

住宅完成保証制度に加入していれば、建設工事の引き継ぎサービスを受けられ、支払った前金や中間金も一定額まで保証されます。住宅あんしん保証に登録した建設会社で受けられるサービスですので、家の建設依頼先を探す際には知っておくといいでしょう。

家のメンテナンスはどこに任せるのがいい?

ハウスメーカーで家を建てた場合のメンテナンスはハウスメーカーだけとは限りません。地域の工務店やメンテナンスに応じた専門業者など自由に選ぶことも可能です。ハウスメーカーと工務店の違いを紹介します。

ハウスメーカー

ハウスメーカーは全国規模で営業する会社です。規模が大きいので、大規模リフォーム、建て替え、建て増しなど幅広く対応しています。

建設したハウスメーカーにメンテナンスを頼む強みは、その家の部材や構造、工法を熟知していることでしょう。新築時の図面と、その後の診断、修繕、改築履歴などの記録が、同一の会社に残っている安心感があります。

またハウスメーカーは、部材の供給がシステム化されているため、安定した仕上がりが期待できます。パッケージ化されたサービスやリフォーム工事が多いため、自由度は低いかもしれませんが、その分価格が見えやすいメリットもあります。

さらに、事業範囲が広いハウスメーカーなら外構や太陽光発電システムの設置など、さまざまな要望に対応してもらいやすいでしょう。ハウスメーカーの多くは不動産業も行っているため、「住み替え先の物件を探したい」「住み替えのために今の家を売却したい」といった、建築以外のことも相談できます。

工務店

工務店は基本的に地域に根ざしている会社です。工務店といっても規模はさまざまで、営業所を複数の県にまたがって持つような大規模工務店もあり、その場合の特徴はハウスメーカー寄りと言っていいでしょう。

ひと口に工務店といっても幅が広いので、個々の会社をよく見極めることが重要です。なおここでは、ハウスメーカー寄りの工務店は除いて説明します。

工務店はハウスメーカーと比較すると、施工者と施主の距離が近いのが特徴です。大手ハウスメーカーでは、実際に施工するのは下請け会社ですが、工務店に頼めば点検する人や作り手の顔が直接見えやすくなります。リフォーム時にはこだわりを反映させたり、細かい部分の要望を伝えたりしやすいです。作業がシステム化されていないためハウスメーカーよりは時間がかかりますが、じっくりと話し合いを重ね、施主のライフスタイルに合ったリフォームを行えるでしょう。

工務店の強みに応じてメンテナンスやリフォームを頼める点もメリットのひとつです。例えば外壁塗装なら外壁塗装の専門業者というように、それぞれの業者に直接メンテナンスやリフォーム工事を依頼できます。さらに、工務店の多くは「フルスケルトンリフォーム」「バリアフリーリフォーム」など工務店ごとの強みを持っています。特定のメンテナンスや工事をしたい場合は、各分野に強い工務店を探してみてもいいでしょう。

<一緒に見たい記事>ハウスメーカーで建てた家の外壁塗装はどこに頼む?

経営基盤や知名度を重視するならハウスメーカーが適しているでしょう。施工者側と一緒に話し合いながらメンテナンスや工事を行うのなら工務店が適しています。自身の考え方に合わせてメンテナンス先を選ぶことが大切です。

家のメンテナンスはさまざまなアプローチがあるからこそ、最善の選択が人によって異なる

家に長く住むためにはメンテナンスは必須ですが、なかにはハウスメーカーで家を建てたら、ハウスメーカーにメンテナンスを依頼するのが当たり前だと思っている人もいるでしょう。ハウスメーカーで家を建てても、ハウスメーカーのメンテナンスを受けないことも可能なのです。工務店はハウスメーカーのメンテナンスとは違った特徴がありますので、気になるのであれば検討してみるといいでしょう。点検や交換、リフォームなどメンテナンスの最終目的は、家をより良い状態に保つことです。適切かつ満足のいくメンテナンスのために、最善の選択をしていきたいものです。

 

 

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