ハウスメーカーのアフターサービスを知っておこう
家が完成して住み始めたあとのアフターサービスは重要です。しかしアフターサービスとは具体的にどういった内容で、購入者にとってどんなメリットがあるのでしょう。家を「建てる、購入する」といったときにアフターサービスにまで気を回すのは難しいかもしれませんが、家に何か問題が生じたときには、アフターサービスが大いに役立ちます。アフターサービスの一般的な内容や、ハウスメーカーごとの違いを知っておきましょう。
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アフターサービスとは?
アフターサービスとは家が引き渡されたあとに受けられるサービスのことで、内容は主に以下の3つです。
- 平時における住宅設備の使い方や管理方法の案内
オーナー専用のWebサイトで情報提供やサービスの案内などを行う
- 急な故障やトラブル時の対応
通常はフリーダイヤルで24時間365日対応
- 定期的な点検、メンテナンス工事や修繕
無料の定期点検、メンテナンス工事や修繕など、いわゆる「保証」と呼ばれるもの
アフターサービスにおいて、特に重要なのが3の「保証」でしょう。保証があれば将来何かあった場合にも対応してもらえる安心感があります。
保証期間中は点検を無料で受けることができますが、保証対象や範囲には制限があります。またメンテナンス工事や修繕は、無償で受けられる場合もありますが、基本的には有償です。仮に保証対象の箇所であっても、経年劣化や引き渡し後の天災・事故などを原因とする補修は自己負担です。
なお、ハウスメーカーでだけでなく、工務店で家を建てる場合もアフターサービスは提供されています。しかし工務店は数が多く、アフターサービスの内容もさまざまで、比較的小規模な工務店ではアフターサービスをハウスメーカーほどには明文化していないところもあるでしょう。ここでは規定が厳密なハウスメーカーのアフターサービスについて見ていきます。
アフターサービスの具体的内容
アフターサービスのうち、保証について紹介します。実は法律では新築住宅の売主側に10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。しかしハウスメーカーは、10年以上の保証期間を設けている会社がほとんどです。
保証期間
ハウスメーカーの保証は30~35年程度が一般的です。ただしこれらは「初期保証」であり、初期保証期間のあとに「延長保証」を追加できます。
延長保証
保証を延長するためには、点検や耐久性診断を受けたうえで、必要とされる補修や工事を行う必要があります。劣化や問題が生じている箇所がある場合、該当箇所を補修しなければ保証を延長しないという厳格な仕組みです。点検と補修を繰り返すことで、規定上は60年以上の長期間保証を受けられます。ただし、延長保証は5~10年程度の延長ですので、点検や補修の頻度は高くなるでしょう。
保証の対象部分
「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」が主な保証対象です。さらに「シロアリの侵入防止」についても保証対象とするハウスメーカーもあります。
点検
初期保証期間中の点検は通常無料です。一般的にはあらかじめ下記のようなスケジュールが決まっていて、それに沿って点検を行います。
点検スケジュール例
- 1カ月点検
- 6カ月点検
- 12カ月点検
- 5年点検(以後は、5年ごとに点検を行う)
スケジュールどおりでなくても住んでいて違和感があれば、ハウスメーカーに連絡して予定にない点検を頼むことも可能です。なお、初期保証期間終了後の点検はおおむね有償です。
10年間の品質保証
10年間は法律で家の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられていますが、これはアフターサービスではなく「義務」であるため、万が一ハウスメーカーが倒産しても保証されます。具体的には家の引き渡しから10年間は、「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」について保証を受けられます。
ハウスメーカーが倒産しても、事前にハウスメーカーが専門の保険に加入しているか、所定の機関(供託所)に保証金を預けてありますので、保険金もしくは供託所の保証金で修繕可能なのです。
ハウスメーカーごとのアフターサービスの違い
ハウスメーカーのアフターサービスのなかでも代表的な保証や点検について紹介しています。
ダイワハウスのアフターサービス
初期保証(1~3階建て)
- 構造耐力上主要な部分 30年
- 雨水の浸入を防止する部分 30年
- シロアリ保証 10年
- 住宅設備器具(システムキッチン、システムバス、洗面化粧台、便器便座、インターホン、エアコン、給湯器) 10年
※家の階数や工法によって保証年数が若干変わります。
延長保証
- 「構造耐力上主要な部分」及び「雨水の浸入を防止する部分」については有償メンテナンス工事の実施により15年間延長
- シロアリ保証については、有償メンテナンス工事の実施により5年、もしくは10年間の延長
点検
- 25年目までの定期点検は無料
- 30年目以降から原則有料
「構造」の初期保証は30年と長いのが特徴です。ただし、シロアリや住宅設備器具の初期保証は10年間と短くなっています。
ミサワホーム
初期保証
- 構造体 35年
- 防水 30年
- シロアリ保証 30年
- 設備 5年
- 仕上げ付属部品 2年
延長保証
- 構造体、防水、シロアリ保証については、点検や耐久診断の結果により必要と判断された場合に有償工事を行うことで定期的な保証延長が可能
- 設備の保証については、「設備サポートプラン」により5年延長可能
点検
- 30年目までの定期点検は無料
- それ以降は有料
ミサワホームの特徴は「仕上げ付属部品」にも2年間の保証が付帯していることでしょう。なお、1階の床材を使用しない建物および防アリ材を使用しない家については、シロアリ保証期間はありません。
※参考:オーナーサポート|MISAWA
積水ハウス
初期保証
- 構造躯体 30年
- 防水 30年
延長保証
- 有料点検と必要とされる有償工事によって10年間の再保証を繰り返し受けることが可能
点検
- 30年目までの定期点検は無料
- それ以降は有料
構造躯体と防水に関する初期30年保証継続のためには、10年点検および20年点検を受けることが必要です。もしも一度保証が切れてしまったとしても、必要な有料点検と有償工事を行えば保証を再開できます。
※参考:長期保証制度|積水ハウス
セキスイハイム
初期保証
- 構造耐力上主要な部分 30年
- 雨水の浸入を防止する部分 30年
- 磁気タイル外壁 30年
- 外壁のうちジオマイト外壁、レリーフ外壁の外壁 10年
※外壁は著しい破損やひび割れが保証対象です
なおセキスイハイムのアフターサービスでは、「延長保証」という概念を用いていません。代わりに初期保証期間終了後も無料で定期診断を行う「長期サポートシステム」で対応しています。
点検
- 定期点検(無料) 引き渡しから半年後、1年目、2年目の計3回
- 定期診断(無料) 5年目から、5年ごとの定期診断を行う(建設から60年間)
5年目からの「定期診断」は無料ですが申し込みが必要です。ハウスメーカーからの案内に従い、オーナーが申し込みをすると実施されます。
※参考:アフターサポート|セキスイハイム
※工法や商品によって保証内容に差がありますので、詳細は各ハウスメーカーに確認してください。
良質なアフターサービスを見極めるためには
家を建てたあとのアフターサービスがどれほど充実しているのかまで考えて建設業者を選べば、建築後の満足度も高くなるでしょう。アフターサービスの詳細についても家づくりの段階で把握しておきたいところです。
とはいえ、家づくりの最中はアフターサービスについて調べる余裕はないでしょう。自身で調べるよりも、営業や担当者に説明を求めた方が効率的です。ハウスメーカーによっても保証対象や保証期間が違いますので、正確な内容を理解しておくことが重要でしょう。
説明を受ける際は強みだけでなく、注意点についても確認しておきます。例えば保証対象範囲や点検が有償になった場合の金額や、保証対象外のメンテナンスをハウスメーカーから受ける際の費用の目安などです。今後のメンテナンスにいくら必要なのか聞いておくことで、家を維持するために必要なおおよその費用も計算できるのです。
アフターサービスは家の「持ち」を左右する
いくら良い家を建てても、その後のメンテナンスが不十分では劣化や傷みが進行する恐れがあります。長く住むからこそ、将来にわたって満足できる家であってほしいものです。家を建てるハウスメーカーを選ぶときは、アフターサービスの内容もしっかり確認し将来に備えましょう。
※家のメンテナンスの全体像を知りたい方はこちらもあわせてご一読ください。
“長く住める家のためにメンテナンスの必要性やコツを知ろう”
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参考:
- 長期保証・アフターサポート|ダイワハウス
- オーナーサポート|MISAWA
- 長期保証制度|積水ハウス
- アフターサポート|セキスイハイム
- 住宅瑕疵担保履行法について|国土交通省
- 住宅瑕疵担保履行法とは|住宅瑕疵担保保険協会