窓増設リフォームのメリットとデメリット、費用や機能向上を解説!
ライフステージの変化に伴い、住まいのあり方を考えることがありますが、
室内に窓が不足しているため増やすことを検討している人も多いでしょう。
窓増設リフォームは注意点が多い工事です。
リフォームを行うことによって、機能性が低下して快適さがそこなわれるようでは問題です。
この記事では窓増設リフォームのメリットとデメリット、
費用や機能向上の方法などをご紹介いたします。
窓増設リフォームのメリットとデメリット
窓増設リフォームを検討する前に、メリットとデメリットを知っておくことが重要です。
なぜなら、窓増設リフォームは工事が難しいうえに、増設によって建物の性能に影響を及ぼす
危険があるためです。
取り返しのつかないことにならないよう、メリットとデメリットをふまえ、
事前に十分な計画を行いましょう。
窓増設リフォームのメリット
おもな窓増設リフォームのメリットは下記の通りです。
- 採光と風通しに効果的
- 開放感を高める
具体的に解説していきます。
採光と風通しに効果的
窓を増設すると、多くの太陽光をとりいれることができます。
暗かった部屋が明るくなり、照明に頼る機会が減ることから光熱費の削減も可能です。
また、窓を開放すれば風が通り抜けるルートが増え、空気の循環を促します。
室内の湿気や汚れた空気を排出することで、建物や住む人の健康に寄与することが可能です。
開放感を高める
窓を増設すると、空間の広がりを感じて開放感が高まります。
狭い部屋を広く見せる効果もあるでしょう。
窓増設リフォームのデメリット
おもな窓増設リフォームのデメリットは下記の通りです。
- 外気温の影響を受けやすくなる
- 結露の原因となることがある
具体的に解説していきます。
外気温の影響を受けやすくなる
建物のなかで熱の移動が最も活発な部位が窓です。
窓を増やすと、夏の暑さや冬の寒さなど外気温の影響を受けやすくなり、
空調の効果が低下する恐れがあります。
結露の原因となることがある
結露は建物の内外の温度差と、室内の湿度の高さが原因で起こります。
空気は一定量の水分を含むことができます。
温度が高いほど水分量は多くなります。
室内で温められて多くの水分を含んだ空気は、
窓付近で急激に冷却されることで抱えられる水分許容量を超えてしまいます。
空気中から追い出された水分は水滴となって表面化します。
こうして窓ガラスや壁などに水滴が現れる現象が結露です。
冬の窓周辺は温度が著しく下がるため結露が起こりやすくなり、
カビの発生といった悪い影響が出やすくなります。
後付け可能な窓の種類
増設で作れる窓の種類には、以下の4つがあります。
・壁面小窓
・天窓
・部屋の中の窓
・掃き出し窓
部屋の中の窓は、外に向かった窓ではなく、部屋や廊下に面した窓のことを指します。
室内の明るさや風通しをよくするために設置する人が多いです。
おすすめはしませんが、DIYで増設する人もいます。
掃き出し窓は、窓の下部まである引き違いの窓のことを指します。
前後に開閉しないので、そのぶんのスペースは必要ありません。
しかし、窓自体が大きいため、横のスペースを確保する必要があるのです。
また、もともと壁だった箇所に穴が開くため、部屋の断熱性や耐久性が下がってしまったり、防犯面も気をつける必要が出てきたりします。
設計士さんにどのような窓が設置できるのか確認してもらいながら、設計や見積もりを作ってもらいましょう。
窓増設リフォームをするときの注意点
窓増設リフォームには注意しておくべき点があります。
建物の外周面に開口する必要があるため、慎重に検討を行わなければいけないことです。
窓の増設時に注意するべきポイントは以下の4つです。
- どこにでも設置が可能なわけではない
- 窓の設置後について考慮しておく
- 窓周辺の断熱材処理
- 業者選びに注意すること
建物の性能をそこなうような位置に対してひらかないよう、詳細な計画が必須となります。
どこにでも設置が可能なわけではない
建物には構造上、重要な役割を持つ壁が存在します。
重要な壁とは「耐力壁」と呼ばれる部分で、地震の揺れに耐えるための壁を指します。
耐力壁に対して窓を作ることは基本的に避ける必要があります。
もし耐力壁に窓を作ったら、耐震性能がそこなわれ、建物の寿命が短くなる恐れがあります。
窓の設置後について考慮しておく
施工前に、窓増設後のことを考慮しておく必要があります。
例えば、窓増設部分に置いていた家具を置くスペースは別にあるのか、窓を増やしたことで西日は眩しくないのか、外からの視線は気にならないかといったことです。
窓を作りたい一心だけで作ってしまうと、後々トラブルが起こらないとも限りません。
窓を作る位置は、設計士や業者に相談しながら決めるようにしましょう。
窓周辺の断熱材処理
断熱材を充填してある壁に窓を作るのなら、窓枠と断熱材の間に隙間が生じないよう施工する
必要があります。
隙間から熱の移動が活発に起こるためで、
室内外の温度差が大きくなり結露が発生しやすい状況が生まれます。
業者選びに注意すること
窓増設リフォームは慎重に計画を行い、かつ適切な施工が必要です。
適切に工事が行われなかった場合、耐久性が低下し、建物の寿命を縮めてしまうでしょう。
完成後も安心して生活を送れるよう、
経験と知識が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
窓を増設するための業者の選び方
窓の増設は、壁に穴を開ける工事なので、技術力や窓増設に関する知識がある業者に依頼するのが鉄則です。
成功させるための業者の選び方について、
1.窓の増設リフォームの経験があるか
2.見積書の内容は適切か
3.説明は丁寧か
の3つの点に絞って解説します。
1.窓の増設リフォームの経験があるか
窓の増設は、窓のリフォーム経験がある業者に依頼しましょう。
「窓増設リフォームの注意点」でも紹介したように、業者の技術力は建物の耐久性や寿命に関係してきます。
業者のホームページには今まで請け負った工事の事例や、実際に工事をしたお客様の声を公開していることがあります。
事前に、自分が依頼しようとしている業者に窓増設の施工経験はあるのか調べておきましょう。
2.見積書の内容は適切か
見積書の内容は、業者ごとに色が出る部分なのでチェックが必要です。
工事の内訳や金額が適正か、品名や個数が端折られていないか確認してみましょう。
金額や施工内容などは、プロでないとわからない部分があるかもしれません。
その場合は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」をしてみてください。
相見積もりとは、数社から見積もりを取り、価格や条件を見比べる方法です。
施工内容や費用が適正かどうか知りたい場合は、必ず行いましょう。
3.説明が丁寧か
営業担当者や職人による、工事についての説明が丁寧かどうかも気にしてみてください。
窓や家のリフォームは頻繁に行うものではありません。
よって、依頼する側には知りたいこと、心配なことがたくさんあるはずです。
心配や疑問を一つひとつ解消し、納得されたうえで工事を行うのが、業者とお客様の関係の理想です。
わからないことや不透明なことを聞いて答えられない業者は、工事に関する知識や経験がないといって間違いないでしょう。
そのような業者は、工事中や施工後のトラブルにきちんと対応してくれるのか怪しいので、最初から依頼しないのが安全です。
窓増設リフォームの費用
工事費用は窓の大きさやグレードによって大きく異なりますが、
20~50万円程度が必要となるでしょう。
工事の内容にもよりますが工期はおよそ1週間かかります。
窓増設リフォームは非常に手間のかかる工事です。
適切な工事位置を検討したうえで、壁の解体を行い、新規に窓を設置して壁を復旧します。
工事前には周辺に対し損傷から守るための養生をほどこし、完了後にはクリーニングを行います。
2階部分であれば部分足場の設置も必要なため費用が増大します。
機能性の高い窓リフォームの方法
窓の増設では、リフォーム後におけるデメリットを補うために機能性の高い製品を採用すると
効果的です。
以下では機能性が高い製品を解説します。
断熱窓
窓の断熱強化は建物における断熱性能の向上に最も有効であることから、
近年においては多くの高機能な窓が登場しています。
複合ガラス
複合ガラスとは、窓ガラスを2重(ペア)や3重(トリプル)など複層にした製品です。
中間に空気の層を設けることで熱の移動を抑制します。
内部の空気層に特殊ガスを入れたり真空にしたりすると、より高い効果が期待できます。
Low-Eガラス
Low-Eガラスとは、特殊金属膜をコーティングしたガラスのことです。
遮熱性および断熱性に優れることが特徴です。
複層ガラスにLow-Eガラスを使うと、さらに効果を高めることができます。
樹脂製サッシ
一般的に使うアルミ製サッシは、断熱性能が低いです。
樹脂製サッシなら熱伝導率が低く熱の移動が起こりにくいため、
断熱性能を高めることが期待できます。
耐久性の面では樹脂製よりもアルミ製が優れますが、両方の長所を活かしたアルミ樹脂の
複合型サッシもあります。
既存の窓に内窓設置も効果的
室内の断熱性能を高めることを検討するなら内窓の設置が非常に効果的です。
既存の窓の内側にもうひとつ窓を追加するという内容ですが、
コストが安く手軽に断熱効果を得ることが可能です。
空調効率の向上による光熱費の削減や、室内温度が安定することで快適性を高めることが期待できます。
窓は塞ぐことも可能!メリットと方法
この記事では、窓を新しく増設する方法を解説してきました。
それとは逆に、もともとある窓を塞ぐリフォームというものもあります。
窓の増設は、採光や風通し、開放感を得るために行いますが、
窓を塞ぐと、
・防犯強化やプライバシーの保護
・断熱効果
・補強効果
などが期待できるでしょう。
業者に依頼して窓枠を外す大掛かりな工事以外に、木製の扉を自作して取り付ける手軽な方法もあります。
家の防犯面を強化したい、断熱効果を高めたいという人は、窓を塞ぐ工事もあるということを覚えておきましょう。
まとめ:窓の増設リフォームは業者選びが重要
窓増設リフォームは非常に難しい工事です。
そのため費用は高くなってしまいがちですが、単純に安い業者だからという理由で選ぶと危険です。
安い業者だと、適切な位置に窓が施工されないなど、
建物の性能を低下させてしまう恐れがあるためです。
経験と知識が豊富な信頼できる業者を選択することが窓の増設には重要です。
複数の業者に見積もりを依頼し、
打ち合わせなどを通じた対応から判断し決定することが必要となります。
窓増設リフォームは、安心して工事を任せることができる業者選びが一番のキモといえるでしょう。
以下では、二重窓の取り付けに関する費用について紹介しています。
気になる人は読んでみてください。