耐力壁のリフォームをして地震や風に強い住宅にしよう!
日本は地震や台風が多い国です。
地域によっては、毎月のように台風襲来があり、
より風に強い住居にリフォームしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
地震や風に対して安心できる住居を求める際に欠かせないのが「耐力壁」です。
この記事では、耐力壁とはどういった壁なのか、
耐力壁の種類やメリットデメリットなどを解説していきます。
耐力壁(たいりょくへき)とは?
耐力壁とは、地震や強風といった横方向からの圧力に対抗できる壁のことです。
建物にはあらゆる方向から力が掛かります。
住居は、建物本体によって垂直方向にかかる力と、
強風や地震の横揺れなど水平方向からくる力に耐える必要があります。
建物本体の重さなど垂直方向からかかる力に対しては、太い柱が支えになります。
しかし、柱では横からの強い力には弱く、強風や地震には抵抗しきれません。
建築基準法では、横からの圧力に対抗する方法として耐力壁の設置を義務付けています。
耐力壁のメリット
耐力壁のメリットは、地震の横揺れに抵抗する力を持っていること、
強風など水平方向からくる圧力に対抗する力を持っていることです。
耐力壁のデメリット
耐力壁のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
1、耐力壁があった場所に窓を設置する場合、他に耐力壁を作る必要がある
2、耐力壁を外して間取りを広くする場合、他の部分に耐力壁の設置が必要
住宅に適した数の耐力壁が作られているため、
窓の設置や間取り拡張工事をする場合は費用が高くなります。
耐力壁の必要性
耐力壁のリフォームが必要な場合として以下のケースが挙げられます。
1、平成12年より前に建てられた建物で補強工事を行っていない場合
2、普段から台風や地震が多くて家の強度をさらに高めたい場合
耐力壁は建築基準法で義務付けられている建築部材です。
建築基準法は昭和56年のほか、阪神淡路大震災後の平成12年に内容が改正されており、
それ以前の建物では耐震強度が不十分であるおそれがあります。
他にも、台風や地震が多いために住宅の強度に不安を感じている場合は耐力壁を改良する
リフォームを検討してみましょう。
耐力壁の種類や工法
耐力壁には、以下の3種類の工法があります。
- 片筋交い
- たすき掛け
- 耐力面材
それぞれの手法のメリットやデメリットを解説していきましょう。
片筋交い
片筋交いとは、底辺である土台や上辺の梁、
両脇の柱からなる四角形の中に斜めに入れる補強材のことをいいます。
片筋交いでは、入れる補強材は1本です。
・メリットは、使用する資材が少ないため、費用が安く済むことです。
・デメリットは、補強材が1本であるため、強度としては弱い点でしょう。
たすき掛け
たすき掛けとは、底辺である土台や上辺の梁、
両脇の柱からなる四角形の中にクロスさせた補強材を入れることをいいます。
たすき掛けでは、クロスするように補強材を2本いれます。
メリットは、強度が高いことです。
デメリットは、両方の端に補強金具を入れる必要があるため
工事に時間と手間を要することと、断熱材が入れにくい点です。
耐力面材
耐力面材は、面全体で外部からの圧力に対抗する方法です。
薄板を貼り合わせた「構造用合板タイプ」と、鉱物などを原料とした「無機質タイプ」があります。
メリットは、面全体で支えるため壊れにくいことと、
断熱材をまんべんなく全体に入れられる点でしょう。
デメリットは、壁の中に湿気がこもりやすい場合があることです。
釘の打ち方といった施工技術や、使う資材により、強度に差が出る場合もあります。
耐力壁のリフォームで注意したいポイント
耐力壁のリフォームでは以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 現在の耐力壁の状態を業者に調査してもらう
- 耐力壁はバランスが重要と心得る
- リフォーム業者は相見積もりで厳選する
知らずにリフォームをすると、不要な耐力壁を付けて費用を無駄にする危険性があります。
現在の耐力壁の状態を業者に調査してもらう
リフォームを行う予定の場所や耐力壁の強度、必要な補強工事の施工方法、
現在の住居とのバランスを事前に調査します。
調査によってどこにどれだけの耐力壁を使えばよいのかが判明するでしょう。
耐力壁はバランスが重要と心得る
耐力壁で大切なのは、家の中でどの場所にどんな耐力壁を設置するとよいかを
判断することです。
強度が高い耐力壁であっても、バランスよく設置されていなければ地震によって力が
一方向に偏ってしまい、家の倒壊や損傷につながってしまいます。
リフォーム業者は相見積もりで厳選する
相見積もりとは、複数の業者に同じ工事を注文した時の金額の見積もりを出してもらう手法です。
相見積もりのメリットは、業者の知識や技術、工事の価格相場、態度などを比較できる点です。
相見積もりでチェックするポイントには以下があります。
- 項目の具体性
- 工事金額
- 施工個所の違い
「工事一式」など、詳細な工事内容が書かれていない業者は知識が乏しい悪徳業者の可能性が高いです。
また、工事金額が高すぎる場合は、業者が工事を下請け業者に任せているおそれがあります。
工事価格が低すぎる場合は、使う商品のグレードを下げられているかもしれません。
同じ工事条件で見積もりを依頼したのに施工方法や施工箇所に相違がある場合も、
業者に問い合わせてみる必要があります。
まとめ:耐力壁のリフォームは専門家に依頼しよう!
耐力壁のリフォームで大切なことは信頼できる専門業者を見つけることです。
耐力壁は家の安全を左右する大切なものです。
各メーカーが新しい耐力面材の開発をし、施工技術も年々発達を遂げています。
情報を追うだけでも大変です。
耐力壁の工事では素人判断をせず、信頼できる専門家を相見積もりで見つけて、
地震や強風に脅かされない安心できる住宅にしましょう。
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