玄関に屋根をつける方法とは?費用相場と注意点も解説!
「玄関に屋根がないので家の中まで雨が吹き込む」
「雨に濡れたまま家の中に入らないといけない」
こういった悩みを持ってはいませんか。
玄関に屋根がない家では、雨の日になると不自由することが多くなります。
この記事では、玄関の屋根について以下の項目を紹介しています。
- 玄関に屋根を付ける方法
- 玄関に屋根をつける場合の費用相場
- 玄関に屋根を付ける際の注意点
玄関に屋根をつけると雨の悩みが解消します。
取り付け方法や注意点を把握して、早めに対処しましょう。
玄関に屋根を付ける方法と費用相場
玄関に屋根を取り付けるには、以下の方法があります。
- テラス屋根を取り付ける
- 庇を取り付ける
- オーニングを取り付ける
取り付けにかかる費用相場とともに、1つずつ解説していきます。
テラス屋根を取り付ける
玄関にテラス屋根を取り付ける場合の費用相場は、6~15万円程です。
テラス屋根とは、木製か金属製の骨組みに樹脂や金属の屋根材を取り付けたものです。
屋根だけの場合や、柱がついたものがあります。
本来はテラスに取り付ける屋根ですが、
サイズ展開が豊富で玄関に合うコンパクトなタイプもあります。
庇(ひさし)を取り付ける
玄関に庇(ひさし)を取り付ける場合の費用相場は、10~20万円程です。
庇とは窓や出入り口の上についている小さな屋根で、日避けや雨避けの効果があります。
庇の材料は、アルミやガラスをよく使います。
庇の長さは60cm、90cm、120cmが一般的で、幅は90~200cm程のものがあります。
オーニングを取り付ける
オーニングを取り付ける場合の費用相場は、15~40万円程です。
オーニングとは庇の一種で、可動式の屋根のことです。
屋根となる部分はテントのような素材で、不要な時は折り畳んで収納できます。
オーニングは風に弱い構造なので、風が強い時には畳んでおく必要があります。
また、汚れやすい素材なので小まめに清掃をしなければなりません。
玄関の屋根に起こる不具合や劣化症状
玄関屋根も、他の屋根と同じく劣化したり、不具合を起こしたりします。
しかし、部屋の上に付いている屋根ではないため不具合がわかりにくく、気づいたときには大事に至っているというケースが多いです。
玄関屋根の不具合にはどのような症状があるか知っておくと、異変に気づきやすくなります。
ここでは、
・雨漏り
・色褪せ
・衝撃による破損
・支柱が折れる
など、よく見られる症状について解説します。
雨漏り
玄関屋根の雨漏りは、最も気づきにくい症状です。
原因は、屋根と外壁の接合部分のコーキング材の傷みや、屋根材、防水シートなどが破損し、屋根内部に雨水が侵入することが挙げられます。
また、下地材まで雨水が入ってしまっている場合は、倒壊の恐れや、カビが発生して健康被害を被る可能性も考えられるのです。
玄関部分に使うコーキング材や屋根材、防水シートなどにも耐用年数があります。
定期点検で状態をチェックしたり、異常が見られる場合は取り替えたりして雨漏りを予防するようにしましょう。
色褪せ
トタンやガルバリウム鋼板、スレート材などを使った屋根、またはオーニングの場合は、色褪せを起こすことがあります。
色褪せは、塗膜や建材の性能が落ちてきているサインです。
見た目もくたびれた印象になり、家全体の印象が悪くなるでしょう。
玄関は家の顔でもあるので、きれいにしておくのに越したことはありません。
色が褪せたからといって、すぐに直接的な不具合につながることはないでしょう。
しかし、不具合が起きる前触れでもあるので、見つけたらメンテナンスするのが賢明です。
衝撃による破損
どのタイプの玄関屋根も、物が当たった衝撃で破損することがあります。
放っておくと、その部分から屋根材や下地材の腐敗が始まったり、雨漏りが起きたりする可能性があります。
自然災害を防ぐことはできません。
台風や強風などが起こったあとは、破損箇所がないか屋根をチェックするようにして、異常が見つかったらすぐに業者に連絡、対応してもらいましょう。
支柱が折れる
柱付きの玄関ポーチやテラス屋根を設置している場合、経年劣化や衝撃などで支柱がサビたり、折れたりするケースがあります。
そのままにしておくと、倒壊する危険も考えられます。
サビや傷を見つけたり、玄関屋根が傾いたりしているケースは、柱部分やテラス屋根自体を交換するようにしましょう。
玄関の屋根のメンテナンス方法
玄関屋根のメンテナンス方法には、
・塗装
・部分補修
・葺き替え・カバー工法
などがあります。
症状に合わせて方法を選びましょう。
塗装
ガルバリウム鋼板やトタンなどを使った玄関屋根の場合は、塗装でメンテナンスができます。
サビをなくしたり、見た目をきれいに見せたりする効果が期待できるでしょう。
また、軒天や鼻隠など、屋根周りの部位が木製であるケースも、塗装で保護することが可能です。
屋根材と塗膜の耐用年数や、見た目の劣化などを参考に、再塗装を検討するようにしましょう。
部分補修
部分補修とは、屋根と外壁の間のコーキング材やテラス屋根の支柱の交換、雨樋、金属の屋根材の部分取り替えなどを指します。
全体に不具合が出ていないケースや、雨漏りを起こしていない場合に有効な方法です。
葺き替え・カバー工法
家の屋根と同じ屋根材を使用している場合は、葺き替えやカバー工法での工事も可能です。
既存の屋根材がサビてしまっているケースでは、塗装でのメンテナンスはおすすめしません。
また、下地まで傷んでいるケースでは、下地や防水シートまで交換する必要があります。
既存の屋根に新しい屋根材を被せるカバー工法や、屋根のすべてを交換する葺き替え工事がおすすめです。
玄関屋根の葺き替え事例
エスケーハウスで実際に行った、玄関屋根の葺き替え工事の事例を2つ紹介します。
玄関屋根は、登って触ったり、屋根材を剥がしてみたりしないと、実際の症状がわかりません。
玄関周りで気になる症状がある場合は、業者に依頼しチェックしてもらうようにしましょう。
金属屋根の葺き替え事例
雨漏りを起こしたトタン屋根を、ガルバリウム鋼板に葺き替えた事例です。
屋根内部にも雨が染み込んでおり、上に登ろうとしたところ、ぶよぶよと沈みました。
屋根材を取り除くと、防水シートがその働きをしておらず、下地材がボロボロで黒く変色するほど傷んでいました。
下地や防水シートも含めて交換することになり、補強として新しい木を加え、野地板も新しくし、ガルバリウム鋼板を張って完成です。
ガルバリウム鋼板は、トタンよりも長い耐用年数を誇る屋根材です。
メンテナンスの手間を減らすことができるので、他の屋根材に比べると取り扱いがとても楽になります。
金属屋根の葺き替え事例
横葺きのトタン屋根を、たて葺きのガルバリウム鋼板に葺き替えた事例です。
横葺きの場合、板金の隙間から雨水が侵入しやすいという特徴があり、雨漏りを起こす原因になることがあります。
たて葺きは水が流れやすく、溜めないので、雨漏りの心配が少ない葺き方です。
トタンを取り除くと、やはり野地板全体に水が染み込んでおり、木の腐食が始まっていました。
新しい野地板に替え、防水シートを設置し、最後にガルバリウム鋼板をビスで留めて工事終了です。
玄関屋根は、他の部位に比べて施工範囲が狭いので、1日で工事を終えることができました。
玄関に屋根を取り付ける4つのメリット
玄関屋根はちょっとしたパーツだと思われるかもしれません。
しかし、あるのとないのとでは利便性に大きな差が生まれます。
玄関屋根を取り付けると、
1.雨と雪が吹き込むの防ぐ
2.直射日光を防ぐ
3.玄関周りの外壁やドアなどが汚れるのを防ぐ
4.玄関がおしゃれになる
という、4つのメリットがあります。
ひとつずつ詳しく紹介します。
1.雨と雪が吹き込むのを防ぐ
玄関に屋根を取り付けると、雨や雪などが玄関へ吹き込むのを防ぐことができます。
家を出てすぐに雨に当たったり、雪が積もってドアが開けられなかったりするのは不便です。
そんなとき、玄関に屋根やポーチが付いているとその影響を受けずに出入りできます。
2.直射日光を防ぐ
玄関屋根は、外壁や玄関ポーチに直射日光が当たるのを防いでくれます。
直射日光が当たった外壁材や塗膜は、日に焼けて見た目が悪くなったり、性能が落ちたりするため、何らかの対策が必要です。
対策として玄関屋根を付ければ、日に焼けを防ぐことができ、かつ玄関内部の温度の上昇を防ぐ効果も期待できます。
3.玄関周りの外壁やドアなどが汚れるのを防ぐ
玄関屋根は、玄関周りの外壁やドアなどが汚れるのを防ぐ役割も果たします。
日々、雨風にさらされ続けている玄関は、風で吹かれた埃や、雨ではねた泥が付く可能性が高い部位です。
玄関屋根が設置されていても汚れてしまうことはあります。
しかし、あるのとないのとでは、付く汚れの程度や、掃除する頻度が変わるでしょう。
4.玄関がおしゃれになる
玄関は家の顔でもあるため、デザインや色次第で、家全体の雰囲気がガラリと変わります。
デザインにこだわり、おしゃれにするほうが見た目も印象もよくなるはずです。
家全体や外壁、玄関ドアなどの雰囲気にあった色や材質、形の屋根を選んで、コーディネートしてみましょう。
玄関に屋根を付ける際の注意点
玄関に屋根を付ける際は、以下の点について注意が必要です。
- 建ぺい率を超えると違法建築になる
- DIYでの設置は非常に危険
- 雨漏りの危険があることを心得ておく
- 相見積もりで実績のある業者を選ぶ
1つずつ解説していきます。
建ぺい率を超えると違法建築になる
玄関に取り付ける屋根の長さが1mを超える場合は、建ぺい率に注意しなければなりません。
建ぺい率とは、土地に対する建築面積の割合です。
地域によって建ぺい率の上限が定められています。
1mを超える屋根は建築面積に含まれます。
1mを超える屋根を設置して建ぺい率が上限を超えてしまうと、違法建築となってしまいます。
DIYでの設置は非常に危険
玄関の屋根は、落下すると大きな事故につながるおそれがあります。
玄関の屋根を取り付けるには、台風や積雪に対する強度計算や、取り付け工事に関する知識が必要です。
DIYによほど自信がある方以外は、業者に取り付けを依頼しましょう。
雨漏りの危険があることを心得ておく
玄関屋根も雨漏りや破損などのトラブルを起こします。
しかし、部屋の上に付いている屋根とは違い、雨漏りを起こしても気づきづらい箇所です。
よって、異変がないかどうか常に気にしておく必要があります。
目で見える位置からのチェックだけではなく、業者に依頼し、定期的な検査や屋根材にあったメンテナンスをしてもらうようにしましょう。
相見積もりで実績のある業者を選ぼう
業者に依頼する際は、相見積もりをして実績がある業者を選びましょう。
相見積もりとは、複数の業者に対して同じ条件で見積もりをしてもらうことです。
実績がない業者を選ぶと、費用が高かったり屋根の強度に問題が出たりするおそれがあります。
相見積もりをすることで、費用が安く、施工技術が高い業者を見つけることが可能です。
まとめ:屋根の種類を把握して玄関に合ったものを選ぼう
玄関の屋根には、様々な種類があります。
屋根の種類を把握して、目的にあったものを取り付けましょう。
玄関の土間を広げる工事も検討している人には以下の記事が役立ちます。