外壁のクラックをリペア(補修)する手順・費用・原因・対策をチェック!
自宅の外壁にクラック(ひび割れ)を見つけたときは、どう対処すればよいのか分からず焦ってしまいますよね。
- どんな補修をすればいいのか
- どこに工事を依頼すればいいのか
- 費用はどのくらいかかるのか
上記のように悩む人は多いかと思います。
この記事では、外壁クラックのリペアについて詳しく解説します。
リペアの手順や費用相場、外壁クラックが起きる原因、業者の選び方などをまとめました。
外壁クラックで悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
外壁クラックをリペア(補修)する手順
外壁クラックのリペアは、症状に合わせて適切な作業をおこなう必要があります。主な作業は5つあり、以下の手順でおこないます。
- カットする
- プライマー塗装
- コーキング(シーリング)で埋める
- 肌合わせ
- 塗装
それぞれの作業内容や重要性などを詳しく説明します。
カットする
1番目におこなう作業は、クラック部分のカットです。
外壁クラックを補修するためには、クラック部分を補修材で埋めなければいけません。
補修材を埋めやすくしたり断面と補修材を定着させたりする目的でクラック部分をカットします。
カットの方法は「Vカット」と「Uカット」の2種類があり、断面の形状と面積に違いがあります。
どちらのカット方法も、電動工具で幅10ミリメートル、深さ10~15ミリメートル程度にカットしてクラック内部を均等にします。
クラック内部はデコボコしているため、そのままでは補修材の定着にムラが出ます。カットの際に整えることで補修材が均等にいきわたり、施工後のひび割れに対して強くすることが可能です。
プライマー塗装
2番目におこなう作業は、カット部分のプライマー塗装です。
「プライマー」とは下塗り材のことで、接着剤の役割があります。
プライマー塗装をおこなわないと補修材が定着しなくなり、再度クラックが発生する恐れがあるため、プライマー塗装は外壁クラックのリペアにとって重要な作業です。
クラック部分が完全に乾いた後にほこりを取り除き、使用する補修材に適したプライマーを塗っていきます。
コーキング(シーリング)で埋める
3番目におこなう作業は、クラックにコーキング(シーリング)を埋める作業です。コーキング(シーリング)とは弾力のあるゴムのような物質で、クラックの隙間を埋める補修材として使用します。
クラック部分を埋めずに放置しておくと地震などの揺れでどんどん広がっていき、建物の耐久性が失われる恐れがあります。
このため、コーキング(シーリング)で埋めることが大切です。
コーキング(シーリング)を埋めた後は、乾燥する前にヘラで押さえて表面をなめらかに整えます。
セメント補修
4番目におこなう作業は、外壁の表面をセメントで補修することです。
コーキング(シーリング)でクラックを埋めたときにできる外壁とクラックの段差をなくすための作業となります。
セメントとは、石灰石などを原料として作る灰色の粉です。
水を加えてペースト状にすることで接着性が出るほか、乾燥させることで強固な外壁材となる性質をもっています。
施工時には粘り気が強い液体のようになるため、下地が複雑な形状でも塗りやすく、デコボコしている外壁とクラックの段差を埋めるのに適した材料です。
コーキング(シーリング)の上に接着剤を塗った後に、セメントを塗って表面を平らに補修します。
肌合わせ
5番目におこなう作業は、見た目をよくするための肌合わせです。外壁クラックをカットすると、補修跡が生まれたり、既存外壁の模様や色との違いが目立ったりします。
そのままの状態で仕上げの塗装をおこなうと、外壁の他の部位と形状が違うため見た目が非常に悪くなってしまいます。
そこで、模様や色の違いを目立ちにくくするための「肌合わせ」をおこなうのです。
小さな穴がたくさん開いている「マスチックローラー」や「専用ガン」で吹き付けをして、外壁の模様との差が目立たないように馴染ませながら塗装します。
外壁にデコボコ模様がない場合は必要のない工程です。
塗装
6番目におこなう作業は、仕上げの塗装です。
肌合わせをして補修跡が目立たなくなったら、最後に既存外壁の色と合うように塗装します。
クラックをリペアした部分だけの塗装では既存外壁との色の差ができてしまうため、外壁全体を塗装することがおすすめです。
基本的に通常の外壁塗装と同じように以下の手順で行ないます。
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
ただし、塗料が付着しにくい下地だったり補修跡が目立ったりする場合は、補修部位を先に塗装してから全面塗装をするケースもあります。
色の差が少なくなるだけではなく、塗料の膜を何層にも重ねることでクラックが再発しないようにします。
外壁クラックをリペア(補修)する費用相場
外壁クラックのリペアは、クラックの種類や工事内容によって費用相場が異なります。以下の費用相場を参考にしてください。
2階以上の高所作業は足場が必要となります。
上記の費用とは別に、足場費用として6~20万円程度かかるため、部分的な補修でも費用が高くなる場合があります。
【画像挿入「外壁のクラックをリペア(補修)する手順・費用・原因・対策をチェック!3」】
上記の金額は足場費用込みです。外壁クラックのリペアと塗装工事の費用を合わせると、65~110万円程度になります。
外壁工事は、塗料のグレードやクラックの補修内容によって金額が大きく変わります。信頼できる業者に見積りを依頼して、工事費用を把握しましょう。
外壁クラックの原因と種類、対処法
ひとことで「外壁クラック」と言っても、発生する原因やひび割れの種類はさまざまです。また、種類によって対処法も異なります。
外壁クラックが起こる原因は、以下の2つがあります。
- 経年劣化:塗膜(塗装後の膜)の劣化が原因
- 施工不良:構造部分の補強部材の不足や塗料の乾燥不足が原因
上記の原因によって起きたクラックは、症状の度合いで種類が分類されます。
外壁クラックの種類には以下の2つがあります。
- チェッキング(ヘアクラック):幅0.3ミリメートル未満のひび割れ
- クラッキング(構造クラック):幅0.3ミリメートル以上のひび割れ
ただし業者によってクラックの定義は異なるため、上記は目安でしかありません。
クラックの種類と対処法は、以下で詳しく解説します。
チェッキング(ヘアクラック)
チェッキング(ヘアクラック)とは、塗装表面のみにひび割れが起こっている症状です。
幅0.3ミリメートル未満のひび割れを指す場合が多く、髪の毛のように細いクラックです。
外壁材までひび割れてはいないので、すぐに雨漏りすることはありません。
リペアの必要性は低く、1年後に再点検をするだけで十分な対策になります。
ひび割れが気になる場合は、塗装のみの補修で対処が可能です。
クラッキング(構造クラック)
クラッキング(構造クラック)とは、塗装を貫通して下地材にひび割れが起こっている症状です。
幅0.3ミリメートル以上のひび割れを指す場合が多く、深刻な症状のためリペアの必要性が高いです。
放置すると雨漏りが発生する恐れもあるので、早めに対策をしましょう。
クラッキングは、下地材がひび割れているためカットをした後にコーキングで埋めて補修する必要があります。
外壁クラックをリペア(補修)する際の3つのポイント
外壁クラックをリペアする際のポイントには、以下の3つがあります。
- 外壁の種類で対応が変わる
- 使う材料は弾性塗料が望ましい
- 業者は相見積もりで選ぶ
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
外壁の種類で対応が変わる
クラックはモルタル外壁に起きやすい症状です。
サイディングやコンクリート外壁にもクラックは起こりますが、モルタル外壁の補修手順とは変わる場合があります。
特にサイディングは表面温度の変化で膨張と収縮を繰り返すため、通気性の悪い弾性塗料で塗装すると劣化しやすくなります。
モルタル以外の外壁でクラックが発生した場合は、業者に対処法を確認したほうが安心です。
使う材料は弾性塗料が望ましい
弾性塗料とは、通常の塗料の10倍もの厚みがあり、弾力性がある塗料です。
塗膜(塗装後の膜)が縮んでも、伸縮性が高いためひび割れが起こりにくくなります。
クラックが起こりやすいモルタル外壁に適した塗料です。
業者は相見積もりで選ぶ
外壁クラックの幅の定義は業者によって異なるため、補修方法も変わる可能性があります。
そのため相見積もりをして判断することをおすすめします。
相見積もりとは、2社以上の業者に同じ条件や希望で見積りを依頼して、内容を比較することです。
どのような点に注意して比較をし、業者を選べばよいのかを以下で詳しく解説します。
工事の実績が豊富
業者を選ぶ基準の1つ目は、工事の実績が豊富な業者に依頼することです。
外壁クラックのリペアは、種類や原因に合わせて補修しなければ再発の恐れがあります。
適切な調査や補修をするために、実績が豊富な業者に依頼しましょう。
施工実績は業者のホームページで確認できます。依頼の電話をする前に、複数の業者をインターネットで検索することをおすすめします。
他社よりも価格が高すぎず安すぎない
業者を選ぶ基準の2つ目は、他社よりも価格が高すぎず安すぎないことです。
業者によって多少の差はありますが、あまりにも安い場合は必要な工事を省いている恐れがあります。
一方で、価格が高い場合は余計な費用を取られている可能性が高いです。
どちらにしても悪徳業者の可能性が高いため、工事内容や費用内訳を十分に確認しましょう。
見積もり項目や数量が具体的
業者を選ぶ基準の3つ目は、見積もり項目や数量が具体的なことです。
外壁クラックのリペアと外壁全体の塗装をするためには、多くの工程をおこなう必要があります。
塗装以外にも、足場や高圧洗浄などの費用も面積で算出するのが一般的です。
見積書では、以下の項目が記載されているか確認しましょう。
- 工事内容:工程ごとに細かく記載があるか
- 塗料メーカーや商品名:使用する塗料の商品やメーカーが明確か
- 面積や長さ:工事する面積や長さが工程ごとに記載されているか
- 費用:工程ごとに費用が記載されているか
- その他:人件費や諸経費などが細かく記載されているか
上記の項目が具体的に記載されている業者を選ぶことが大切です。
数量が「一式」でまとめられている場合は、工程が省かれていたり高く見積りされていたりするおそれがあるため注意が必要です。
資格を所持しているか確認
業者を選ぶ基準の4つ目は、資格を所持しているか確認することです。
外壁クラックのリペアをおこなうには、必ずしも資格が必要というわけではありません。
しかし、資格を所持しているほうが知識や経験が豊富なため、安心して補修を依頼することができます。
外壁クラックのリペアに関する資格は、以下のものがあります。
【画像挿入「外壁のクラックをリペア(補修)する手順・費用・原因・対策をチェック!4」】
上記の資格は、いずれも一定以上の経験年数や知識などがないと取得できません。
適切な外壁クラックのリペアをするためにも、資格を所持している業者を選びましょう。
まとめ:外壁クラックのリペア(補修)は業者選びが重要!
外壁クラックは種類や原因によって補修方法が異なるため、適切なリペアをしてくれる業者に依頼することが重要です。
「工事の実績が豊富」「資格を所持している」「見積内容が明確にされている」業者を選ぶことで、安心して工事をおこなえます。
業者選びに失敗するとクラックの再発や手抜き工事、高額な費用の請求などの被害に合うでしょう。
業者選びは慎重におこなうことが大切です。
優良業者を探すために「相見積もり」は欠かせません。
2社以上の業者に見積り依頼をして、それぞれの内容を比較・判断したうえで工事をおこないましょう。